2019年2月20日、三井住友フィナンシャルグループ 総務部上席推進役 兼 企画部業務改革室上席推進役の山本 慶氏は、都内で開催された「東京デジタルイノベーション 2019」において、「SMBCグループにおけるRPA活用の取組について」と題して講演した。仕事の質を高めるPRA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用し、生産性の向上を図る取り組みなどを紹介した。

三井住友フィナンシャルグループ 総務部上席推進役 兼 企画部業務改革室上席推進役 山本慶氏
(撮影:新関 雅士)
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 変化の激しい現代において、SMBCグループは「あらゆる金融ソリューションを顧客のニーズに合わせて提供することが重要となる」と考える。しかし、そこには「各個人や企業と接する時間を増やすとともに、従業員を速やかに戦略事業領域に移していく必要がある」という課題があるという。戦略の立案においても「前例を踏襲するだけでは大きなオポチュニティーが得られない」と山本氏は指摘する。

 そこでSMBCグループは、5年あるいは10年先を見据えて「新しい分野で活躍する従業員が圧倒的に必要」なことに着目。また、優秀な従業員を「収益の上がる領域へ速やかにリロケートすることで、企業の業績はさらに高まる」と見込み、2016年ごろからRPA導入を進めることとなった。

 山本氏によれば、当時はRPAの大規模な導入事例がなかったため、「導入後の保守や管理、セキュリティー、ガバナンスコントロールのノウハウを迅速に確立する必要があった」と振り返る。そこで、米アクセンチュア(Accenture)や米IBM、SMBCグループが利用するRPAベンダーの米ユーアイパス(UiPath)などが集結し、チームとなって問題解決を進めた。その結果、さまざまなサービス・システムとの連携や、外部環境の変化によるエラーなどのリカバリー手法などを見出していった。

 この2年間の成果を山本氏は「2018年上期実績で約800人分の業務を自動化した。さらに、2019年度末までに1500人分の自動化が見込まれている」と胸を張る。また、出口戦略として「付加価値業務の拡大」「働き方改革の推進」「人員配置の最適化」を挙げ、それぞれの事例として「営業担当者の顧客往訪前準備業務」「金融商品取引モニタリングに係る検証業務」「海外送金業務の自動化」を紹介した。

 今後の展望としては、「RPAを活用し、24時間365日安定的に稼働できるプラットフォームの構築」を推進するとともに、「ロボットによるロボットの監視」や「統合管理体制の高度化」などの実現を目指す。また、これまでに培ってきたノウハウやナレッジを共有して世界と戦う「Share Value」を掲げ、RPAの導入を支援する「SMBCバリュークリエーション」を設立した。SMBCバリュークリエーションはUiPathとの戦略的業務提携契約も締結し、その窓口となって「生産性を上げるための改善をサポートする日本版RPAの開発を後押しする」(山本氏)とした。

■変更履歴
タイトルで講演者名に誤りがありました。お詫びして訂正します。タイトルは修正済みです。 [2019/2/21 14:05]