2019年2月19日から都内で開催されている「東京デジタルイノベーション 2019」(主催:日経BP社)。2日目のキーノートスピーチの1人としてGROOVE X(本社東京)代表取締役の林要氏が登壇し、「家族型ロボット『LOVOT』がもたらすデジタルイノベーション」と題する講演を行った。

図1 GROOVE X代表取締役の林要氏
(撮影:新関 雅士)
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ペットを飼えない家庭でもLOVOTがパートナーになれる

 人の代わりに仕事をするロボットは人のコストが計算できるので、合理的な判断でお金が集まりプロジェクトが進む。一方で人の「愛する力」を引き出す力は、事業にかけるコストの計算が難しい。ただ今後は必要になるということは、火星への移住を考えると想像がつく。

 林氏によると、「何年後は分からないが、火星への移住はいつかは実現するだろう。しかしJAXAの方に聞くと食糧やエネルギーの問題は解決するものの、解決できるか分からないのが『心の問題』」という。

 現在、宇宙飛行士として選別されるのは、精神面でも健康面でも一般人よりも安定している人だが、火星に行く人が増えれば選別の基準を下げざるを得ない。より一般的な人々に近付い基準となると予想されるが、宇宙旅行に耐えられる安定性を持っているのかは疑問が残る。特に都市部に暮らす人は不安定になりがち。

 その点で、犬や猫を飼うのは、精神安定上効果があるとされ、子育てにも有用と言われている。火星に行く際は、恐らく何らかのパートナーが必要になるだろうが、犬や猫となるとコストが非常に高くなるため、LOVOTのようなものが必要になるというのが林氏の主張だ。

 内閣府の調べによると、日本の世帯の1/4が犬や猫を飼っているものの、約1/4は欲しいのに飼えないという。アレルギーや、死んだときに辛いとか、散歩に行く時間がないとか理由はさまざま。パートナーとして犬や猫がほしいという人は現在の2倍はいるということになる。GROOVE Xは、そうした要望を解決する存在としてLOVOTを開発した。