「ISSCC 2019(International Solid-State Circuits Conference 2019)」(2月17日~21日に米国サンフランシスコで開催)において、無線通信に関わる回路技術は3つのセッションで活発に議論された。この分野では、セルラー通信(移動通信)のみならず、IoTの根幹を担う様々なワイヤレスシステム向けの回路技術やレーダーなどのセンサーに向けたトランシーバーを実現するための技術が競われる。

 移動通信の世界は5Gの実用化へ向かって着実に進んでいる。ISSCC 2019で披露されたトランシーバー技術は、ISSCC 2018と同様な5Gの時代に要求されるマルチアンテナ向け要素技術に加えて、より実用化を意識した発表が見られた。例えば韓国Samsung Electronics(サムスン)はSub-6GHzのトランシーバーを発表した。2G/3G/4Gとの互換性を保ちつつ5Gに向けてキャリアーアグリゲーション、MIMOをサポートする集積度の高いトランシーバーを披露し、最大で3.15Gビット/秒の通信速度を達成した。また、基準発振回路の低コスト化に向けてTCXOの代わりにDCXOを温度補正して用いる技術も披露し、完成度の高さが窺(うかが)えた。

 米Intelからも5Gのトランシーバーの発表があった。ミリ波のフロントエンドモジュールを外付けすることで5Gの全ての周波数帯をカバーする。また、キャリアーアグリゲーションをサポートしつつデジタル信号処理部を同一チップに搭載しており、モデムとの伝送速度を抑えられる構成を実現した。要素技術としては、東京工業大学から送信/受信で同一の回路を用いて省面積化を実現する双方向送受信回路の発表があった。Massive MIMOを実現する上で注目される技術であり、聴衆の関心を集めた。また、米Georgia Institute of Technology、米Carnegie Mellon Universityからマルチアンテナ向けの回路技術が、Intelからはキャリアーアグリゲーション時のチャネル間干渉を抑える技術が披露され、活発な議論が行われた。

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