東芝は2019年2月19日、米国サンフランシスコ市で開催中の半導体回路技術の国際会議「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2019」で、「Super Junction MOSFET(SJ-MOSFET)」と呼ぶタイプのパワー半導体向けの駆動回路とフィードバック回路を集積したCMOSチップを発表する。これまで、同回路の集積化は例がなく、多くは個別部品が用いられ、一定の損失や雑音が避けられなかった。今回のCMOSチップ化は半導体モジュールの小型化につながる上に、従来に比べて半導体の損失を低減できるとする。今後、東芝は冷蔵庫などのパワー半導体向けに同チップの製品化を検討していくという。

開発したSJ-MOSFET向け駆動&フィードバックIC
130nm世代のCMOS技術を利用。耐圧は18V。チップサイズは、2.87mm角 (写真:東芝)

 SJ-MOSFETは、中程度以下の耐圧と最大1MHzまでの高速スイッチングが可能なパワー半導体である。Si系パワー半導体でよく知られるIGBTは耐圧は高いが、スイッチング速度は数十kHz止まり。炭化ケイ素(SiC)系半導体は、より高耐圧に向く。SJ-MOSFETは中程度以下の耐圧時に、オン抵抗値が低く、スイッチオン時の電圧の立ち下りが速いといった特徴があるとする。

 ところが、電圧の立ち下りが速いことで生じる課題があった。電圧の立ち下り時間を補正するフィードバック回路の処理が間に合わないことだ。この電圧の立ち下り時間が短いほどスイッチング損失が小さくなるが、一方で誤動作につながる雑音が増えるというトレードオフがある。このため、電圧の立ち下がり時間を最適な値に選ぶ必要があるものの、環境の温度や電流の大きさでその値は変化する。それを最適に制御するためのフィードバック回路の処理速度がこれまでは足りていなかった。過去に処理速度を高める回路の提案は幾つかあったが、複雑なA-D/D-A変換器を用いることなどで集積化が困難だった。

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