「AI(人工知能)を使って、それぞれの自動車メーカー”らしさ”を評価できる段階が来ている」――。こう語るのは、日産自動車総合研究所モビリティ・サービス研究所エキスパートリーダーの上田哲郎氏。「日経 xTECH EXPO 2018」(2018年10月17~19日、東京ビッグサイト)の講演会での一幕だ。自動車製造におけるAIの活用と題して、日産での取り組みを披露した。

講演会でAI(人工知能)を活用した取り組みを披露した日産自動車総合研究所モビリティ・サービス研究所エキスパートリーダーの上田哲郎氏(撮影:菊池 一郎)
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 これまで、車両デザインから各社の特徴を測る明確な指標は無く、複数人にアンケートをとって結果を集計する評価手法が一般的だった。車両デザインの特徴をAIにディープラーニング(深層学習)を使って覚えさせることで、AIが客観的な評価結果をはじき出す。個人の趣味嗜好に左右されないデータを得られるのが強みとなる。

 既に日産の総合研究所では、AIの出した結果を車両デザインの向上に役立てる動きが出てきている。車両の性能のみならず、デザインでも売れるクルマを目指してブランド力の向上を急ぐ。

 この仕組みの基になったのは、自動運転時に周囲の車両や歩行者を識別する技術だ。車両の画像を大量に読み込ませることで、カメラで撮影した映像からメーカー名や車両名を瞬時に特定できるようにした。数年前の仕組みであるが、93.6%の正答率でメーカーや車両を見分けられるという。

AIは「ヘッドランプ」に熱視線

 日産が目指したのは、ニューラルネットワーク(NN)が車両のどこを見て判断しているのかを特定すること。判断する基準がどこにあるのかを明確にすれば、クルマのデザインでこだわるべき箇所が分かる。具体的には、ヘッドランプの周辺を軸に、フロントのエンブレム付近、車両側部のセンターピラーやリアピラー付近を注視していることが確認できた。

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