2018年10月19日の「日経xTECH EXPO 2018」特別講演に日立造船常務執行役員ICT推進本部長の島崎雅徳氏が登壇、「製造業『Hitz日立造船』のデジタル革新」と題して、同社における基幹業務システムの刷新、IoT(Internet of Things)/ビッグデータ/AI(人工知能)活用基盤の構築への取り組みを紹介した。

日立造船 常務執行役員 ICT推進本部長 島崎雅徳氏
(撮影:菊池 一郎、以下同じ)

 日立造船は「環境の日立造船」を掲げて企業活動を展開する。ものづくり企業としての技術の蓄積を生かして、風力発電や水素、バイオマス発電、ゴミ焼却発電などのエネルギーを中心とした「エネルギー循環型社会」、海水淡水化や浄水設備、排水処理、下水処理、制水などの「水循環型社会」への貢献を目指している。

 中でも主力事業となっているのが、ゴミ焼却発電だ。日立造船は日本、欧州、北米を中心に現時点で911件のゴミ焼却発電の受注を抱えており、ある調査機関のデータでは2015年から2017年の累計マーケットシェアは30.5%に達している。

 「我々製造業はものづくり、エンジニアリング事業をコアにしながら、アフターサービス、オペレーション、メンテナンスといったサービス事業へシフトする時代になってきていると考えている」(島崎氏)。こうした方針に基づいて、同社はインダストリー4.0に始まる第4次産業革命、IoTという新たな技術革新に対応するべく、2015年にIoT・ビッグデータの専門部署としてICT推進本部を立ち上げ、各事業に分散していたICT技術者を集約した。ICT推進本部には2つの部があり、それぞれが大型プロジェクトに取り組んできたという。

 そうしたプロジェクトの1つに基幹業務システムの刷新がある。ERP(統合基幹業務システム)パッケージとしてドイツSAPの「SAP S4/HANA」を採用し、BPC(予算管理)やBI(ビジネスインテリジェンス)で経営実態を「見える化」しようというものだ。SAP S4/HANAの導入では、豊富な標準機能による業務改革を進めながら、独自機能を追加するアドオン開発を最小限に抑えた。「新しいシステムは守りではなく攻め、データから有用な情報を引き出し、ビジネスの成長に生かす仕組みと捉えている」(島崎氏)。

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