2018年10月19日に「日経xTECH EXPO 2018」で開催された「デジタルものづくりセッション」では、「AI+IoTで変わる生産現場の実例 ~品質と生産性の向上を両立させるデジタル活用」と題して、日本IBM 理事 GBS事業本部 IoT&ビジネストランスフォーメーション担当の寺門正人氏による講演が行われた。寺門氏の講演要旨をお伝えする。

日本IBM 理事 GBS事業本部 IoT&ビジネストランスフォーメーション担当の寺門正人氏(撮影:菊池 一郎、以下同じ)
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 新しい技術が製造業を変えると言われている。製造業の強みをどう生かし、ほころびをどう補うのか。それぞれのテクノロジーに分けて考えていきたい。

 日本の製造業は今、どういう立場にあるのか。日本製品は高品質や安心・安全、製品開発や製造における品質力の高さ、管理能力の高さからブランドが築き上げられた。

 しかし、その後どのような変化が起きたのか。自動車では、リコール件数と台数が増えている。品質に関する問題が取り沙汰されることも増えている。

 品質問題がなぜ増えているのか。前提として、作る製品が高度化し複雑になっていることがある。原材料・部品の高度化・複雑化、管理対象となるものが高度化して管理レベルが上がっている。追い打ちをかけるのが製造スキルの低下だ。自動化に頼るため、人手でやってきたからこそ培われた製造スキルがなくなってきた。品質管理の体制の弱体化、薄利多売で安全のためのマージンが取れないことも原因として挙げられる。

講演の様子
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 製造業が直面する課題を聞くと「人手不足」が挙げられる。これまでは熟練工のノウハウに頼って成り立ってきたが、そうした人材の確保や育成が難しくなっている。そこで多くの会社にとって、「ベテランの再雇用」が一番の打ち手になっている。

 これまでの調査結果から見ると、日本の製造業の価値の源泉は、品質や安全性の高さというブランドにあった。品質管理体制が弱体化してきたり、安全管理や品質管理に使っているマージンが減ってきたり、製造スキルの低下、熟練工の退職、人手不足などによって品質管理問題が出始めている。

日本の製造業が置かれている状況
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 そういったものを補うために最近出てきたのが、自動化や効率化、IoT、AIだ。これらの新しいテクノロジーが、出始めたほころびをどこまで補い、かつ日本の製造業の強みである製造品質の高さ、熟練工に頼ったノウハウの継承なども含めてどこまで新たな世界を築けるのかが、これからの日本の製造業の立ち位置になる。

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