2018年10月19日まで東京ビッグサイトで開催した「日経 xTECH EXPO 2018」で、AI(人工知能)ベンチャー企業4社が現状と課題についてパネルディスカッションをした。

AI(人工知能)ベンチャー4社によるパネルディスカッション
(撮影:菊池 一郎、以下同じ)
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 題目は「未来は我々が創る!新鋭AIベンチャー4社が徹底討論」。HEROZ 代表取締役CEOの林隆弘氏とLeapMind 代表取締役CEOの松田総一氏、シナモン Product&Marketing Managerの大目晃弘氏、テンクー 代表取締役社長の西村邦裕氏がそれぞれ、各社のAI開発の方向性や実用化に向けた解決すべき課題について議論した。モデレーターは、日経BP社 日経 xTECH編集シニアエディターの田中淳が務めた。

HEROZ 代表取締役CEOの林隆弘氏
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LeapMind 代表取締役CEOの松田総一氏
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 ディスカッションの冒頭で田中は「AIという単語が広く使われているが、各社ではどのように定義しているか」と質問した。するとLeapMindの松田氏は「我々は人のインテリジェンスの増強や補強、拡張を狙っているので、AIとは言っていない」と回答。シナモンの大目氏は「AIかどうかの判断の1つは、ディープラーニングを使っているかだと考えている。我々はホワイトカラーの生産性向上にディープラーニングを利用している」と説明した。

 一方、テンクーの西村氏は「AIは人の代わりになる『鉄腕アトム型』と、人を増強する『機動戦士ガンダム型』がある。我々は後者を狙っている」と述べた。HEROZの林氏は「AIはやってみると、人の能力を超えた結果を出してきている。ただし理論的な説明が難しいので『黒魔術のようなもの』と言っている」と語った。

シナモン Product&Marketing Managerの大目晃弘氏
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テンクー 代表取締役社長の西村邦裕氏
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 次に田中は、AI活用で期待できる効果を4人に尋ねた。松田氏は「宇宙空間や原子力発電など作業の安全性確保が難しい案件でも、人に代わってAIを搭載したロボットによる作業が可能になる」と語り、「人が作業しにくい場所でも、AIならできるようになったのが成果の1つ」と話した。

 また大目氏は、実際に同社のAIを使ったソリューション「Flax Scanner」を導入した企業事例を紹介。「200人のスタッフを150人まで削減できた。年間数億円のコスト削減になり、さらに弁護士が1週間くらいかけていた作業も数十分でこなせるようになった」と強調した。

 西村氏は、世界中で毎年100万件以上のがんを含めた医学・生物学に関する論文が出ていることを紹介したうえで、「人が全て読むのは不可能だが、AIなら論文をスコアリングできる」と解説。人の英知を集約して活用できるようになることがAI活用の大きな効果と語った。林氏は(HEROZのバックグラウンドにある)将棋や囲碁の世界ではルールがシンプルで、かつ全ての情報が盤面に表れるので「人のチャンピオンにも勝てる成果が出ている」としたうえで、(ルールが複雑な)産業系では「まだ結果を出しにくい」と指摘。それでも顧客企業のなかには、具体的な数値目標を立て始めているところがあると明かした。

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