日経BP社は2018年10月19日、「日経 xTECH EXPO AWARD受賞企業に聞く、テクノロジー最新トレンドとビジネスチャンス」と題したイベントを開催した。前日18日に発表した「日経 xTECH EXPO AWARD 2018」において、グランプリおよび準グランプリを受賞した各社を招き、製品やサービスの特徴や世の中に与える影響などを聞いた。2018年10月19日まで東京ビッグサイトで開催中の「日経 xTECH EXPO 2018」で開催した。

 準グランプリは7つの製品やサービスが受賞した。網膜に直接映像を投影するHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)や軽量かつ低価格なブロックチェーン基盤などだ。イベントには受賞各社の責任者が登壇し、製品の特徴や思いを語った。

目に入れても問題ないレーザーと働き方改革に役立つお化粧ソフト

 ウエラブル賞にはQDレーザのHMD「RETISSA Display」が選ばれた。レーザー光を使って網膜に映像を直接投影するため、視力などの影響を受けにくいという。視覚障害者の補助具として、フレームの前面に取り付けたカメラの映像をリアルタイムで写す製品を開発済みだ。洗練されたデザインに加え、作業支援やエンターテインメントといった多くの分野への応用が期待されることが選考理由となった。

 「よく聞かれるが、目に入れても全く問題ないレーザーを使っている」。登壇したQDレーザの幸野谷信次取締役兼CFO(最高財務責任者)経営企画室長はこう説明した。応用分野については「まずは福祉や医療の現場を想定する。光の反射から網膜の状態を検査できるため、医療機器としても応用していきたい」とした。

QDレーザの幸野谷信次取締役兼CFO(最高財務責任者)経営企画室長
(撮影:新関 雅士、以下同じ)
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 コミュニケーション賞には、動画編集ソフトを手がける台湾サイバーリンクのテレビ会議用プラグインソフト「PerfectCam」が選ばれた。AI(人工知能)とAR(拡張現実)を使って、違和感なくテレビ会議中の人物に化粧を施したように見せたり、背景をぼかしたりできる。テレワーク時などのプライバシーに配慮したサービスだ。働き方改革につながる点や、米グーグル(Google)の「Googleハングアウト」、米マイクロソフト(Microsoft)の「Skype」といったコミュニケーションサービスと組み合わて使える点も評価された。

 サイバーリンク日本法人の萩原英知リテールビジネスデパートメントアシスタントバイスプレジデントは「(動画編集ソフトの開発で培った)画像を扱うノウハウや技術を生かせた」と話した。「今後はAIやVR(仮想現実)を組み合わせた、また違ったテレビ会議が出てくるだろう。積極的に関わっていきたい」とした。

サイバーリンクの萩原英知リテールビジネスデパートメントアシスタントバイスプレジデント
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匂いを監視するシステムと世界初の1億5000万画素カメラ

 産業IoT賞には、ソフト開発ベンダーのコアの匂いセンサーを使った異常監視システム「においトライアルキット」が選ばれた。例えば焦げ臭い匂いから、生産現場での設備異常や火災などを早期に検知できる。IoT(インターネット・オブ・シングズ)センサーの中でも実例が少ない匂いに着目した点などが評価された。液体や気体をかき混ぜたり、生産物への匂い移りを防止したりといった適用範囲の広がりも期待される。

 「生産現場の自動化に向けたSI(システムインテグレーション)案件を手掛けるなかで、匂いの監視が重要だという現場の声が多かった」。コアの新幸彦取締役専務執行役員ソリューション本部本部長は受賞システム開発のきっかけをこう振り返った。

コアの新幸彦取締役専務執行役員ソリューション本部本部長
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