ドイツ・ベルリンで開催される世界最大級のコンシューマーエレクトロニクスの国際見本市「IFA」。そのトレンド、施策、今後について、筆者は毎年、IFAを主催する独メッセ・ベルリン(Messe Berlin)の幹部に聞いている。今年(2018年)は、IFAグローバル・シニア・エグゼクティブ・マネージャーのディリク・コスロフスキー(Dirk Koslowski)氏に聞いた。

今年(2018年)も出展社、バイヤー、ジャーナリスト、一般来場者で大変賑わっていました。基本知識として、会場面積と出展社数を昨年(2017年)と比較して教えてください。

コスロフスキー氏 今年は“レコード・イヤー”でした。会場面積は昨年の15万9000m2から16万1200m2に増え、出展社数は1805社から1814社になりました。数字の上ではわずかな増加ですが、これにより、IFAを中心とする3つのイベントが完全にフルに埋まりました。その意味でレコード・イヤーと言えます。

 3つのイベントとは、メッセ・ベルリン会場で開催したIFA、別会場(Berlin Station)で開催したBtoB事業を展開するサプライヤー、OEM、ODMを対象としたサブ展示会、およびIFA Global Marketsです。いずれも新規の出展申し込みをたくさん戴いており、お断りしている状態です(図1、図2)。

図1 25万人以上が来場したIFA。写真は南館入り口
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図2 IFAの全体図
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なるほど。量的な拡大が望めないなら、質で攻めなければなりませんね。

コスロフスキー氏 仰る通りです。メッセ・ベルリンとしては全力を挙げて質を高め、時代のニーズに合った、そしてそれを先取りするイベントや展示を考えています。展示会のブースデザインも、最近は非常に洗練されてきました。

特にIFAは、コンシューマーエレクトロニクスの今後を提案する方向性が強くなってきたように思えます。今年のIFAプレスカンファレンスで、メッセ・ベルリンのCEOのクリスチャン・ゲーケ氏が「DISRUPTION(ディスラプション/破壊的イノベーション)」というキーワードを使って今後のコンシューマーエレクトロニクスの方向性を示されたことは、強く印象に残りました。

コスロフスキー氏 5Gネットワーク、IoT、ボイスコントロール、スマートスピーカー、有機EL、AI(人工知能)などのすべてが、旧来の産業を破壊するほどのイノベーションを起こすことは確実な方向です。IFAは、それを早く実現するためのイベントを多数打ち出しています(図3~図5)。

図3 昨年の実績をIFAプレスカンファレンスで紹介するメッセ・ベルリンCEOのクリスチャン・ゲーケ氏
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図4 今年のIFAの実績
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図5 「DISRUPTION(ディスラプション/破壊的イノベーション)」というキーワードを示す
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その1つに、ベンチャー、スタートアップ、研究機関などが一堂に会した「IFA NEXT」がありますね。今年で2年目ですが、昨年以上に賑わっていました。

コスロフスキー氏 昨年、メッセ・ベルリンの中で特別に大きなホール「Hall 26」を使ってスタートしたイベントで、昨年の参加社数は約130社でした。これ対して、今年は約150社が参加しました。

 彼らの一番の目的は「知ってもらう」ことです。しかも、グローバルな規模で知名度を上げたいと思っているのです。そこで、プレスの役割が重要になります。IFAは最近、麻倉さんのような国際ジャーナリストが非常にたくさんお越しになります。ジャーナリストの方にスタートアップの存在を知ってもらい、広く世界に報道していただくのも、IFA NEXTの重要な目的なのです。その点に関しては、昨年のIFA NEXTに参加した企業は大変満足されています(図6)。

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図6 ベンチャー、スタートアップ、研究機関などが一堂に会したIFA NEXT。

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