「今日一番遠くから来たよーって人、手を挙げてくださーい!」――。大きなスクリーンに映し出された3D(3次元)CGのキャラクター「ミライ小町」が会場に質問する。だが、聴講者はどう反応すればよいか戸惑ったのか、なかなか手が挙がらない。その様子を見たキャラクターは残念そうな声で反応を返すと、一転して元気な声で別の質問に切り替えた。次は昼食についての質問で、答えやすかったのか多くの聴講者が手を挙げ、今度はキャラクターが喜んでみせた。そんなリアルタイムの掛け合いなどのデモを、バンダイナムコスタジオがゲーム開発者会議「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2018(CEDEC 2018)」(2018年8月22日〜24日、パシフィコ横浜)の講演で見せた。

講演中のスクリーンに映し出された、バンダイナムコスタジオのオリジナルキャラクター「ミライ小町」
質問を投げかける聴講者とのリアルタイムの会話や、曲に合わせたダンスなどのデモを披露した。(バンダイナムコスタジオの講演から)
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 このデモはバンダイナムコスタジオのモーションキャプチャー技術「BanaCAST(BandaiNamco Character Streaming Technology)」を使ったものである。講演会場と、建物内でモーションキャプチャースタジオを設営した別室をつなぎ、会場の様子を映像や音声で別室に送信する。別室で演じるモーションアクターは、会場の様子を見ながらキャラクターを演じ、その動きと声をリアルタイムに講演会場のキャラクターへ反映する。

 動きの取得には、英Vicon Motion Systemsの光学式モーションキャプチャー「VICON」を使用。22台のカメラでモーションアクターが付けているマーカーを撮影し、モーションデータを出力する。米ユニティ(Unity)の「Unity」や米エピックゲームズ(Epic Games)の「Unreal Engine」といったゲーム開発環境を使用し、モーションデータを3DCGのキャラクターに割り当てる。体の体幹部分から末端部分に向けて、連鎖的に関節を動かすFK (Forward Kinematics)という仕組みでキャラクターを動かす。今回のデモではフェイスキャプチャーやプログラム制御によって顔の表情を変化させることはしていない。しかし、会話中の体の動き、声に合わせて自動で変化する口の動き、声の抑揚などによって、まるで表情が変わっているかのように感じた。

「ミライ小町」を動かした別室のモーションキャプチャー環境
英Vicon Motion Systemsの光学式モーションキャプチャー「VICON」を使用。約3m×5mのスペースに22台のカメラを設置し、モーションアクターが付けているマーカーを撮影する。(バンダイナムコスタジオの講演から)
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