米国防総省(DoD)と言えば、兵器などの開発やそれに必要なICの開発に潤沢な予算を割り当ててもらっているイメージがある。が、どうやらそうでもないらしいことを、ICなどのエレクトロニクス設計の国際学会/展示会「55th Design Automation Conference(DAC 2018)」(6月24日~28日に、サンフランシスコで開催)において、DoDの研究開発機関「DARPA:Defense Advanced Research Projects Agency」幹部の発言から知るに至った。

Linton Salmon氏。日経 xTECHが撮影

 その幹部とは、DARPAのMicrosystems Technology Office(MTO)でprogram managerを務めるLinton Salmon氏である。同氏はDAC 2018のスペシャルセッションの1つ「Session 41:Design Advances Driven by the DARPA CRAFT Program」の座長を務めた。通常セッションの座長は挨拶程度の発言をした後に、すぐに最初の講演者にバトンタッチする。今回のSalmon氏はちょっと違った。セッションタイトルにもあるDARPAのCRAFTプログラムの説明をした。

 CRAFTは「Circuit Realization At Faster Timescales」の略で、従来よりも短い期間での回路(ICなど)の開発を目指すプログラム。CRAFTは2015年に発表された(DARPAのニュースリリースDARPAのプレゼン資料)。CRAFTが発足した理由を、今回、Salmon氏は説明した。それによれば、DoDで必要なICは要求スペックが高く市販品で済まないことが多く、カスタムICをDARPAで開発することになる。ところが「大手半導体メーカーのように多くのIC設計者を抱えているわけではなく、少ない人数では開発期間が長くなりがち」と同氏は、どこかの国でもよく聞くようなボヤキの声を上げた。同氏が見せたスライドでは、DARPAで開発したあるカスタムICの開発期間は24カ月だったという。CRAFTではそれを1/3以下の7カ月にすることを狙う。最終的には開発期間を1/10にしたいとのことだった。

DARPAで開発のカスタムIC(右端)は、市販のMPUやFPGAよりも開発期間がかなり長かった。DARPAのスライド
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CRAFTでは開発期間の短縮を目指す。DARPAのスライド
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