「今まで見たことがない斬新なデザインだ」――。航空機分野のある技術者は驚きを隠さない。彼をそうさせたのは、「エアタクシー」や「空のライドシェア」に関する米Uber Technologies(ウーバーテクノロジーズ)のカンファレンス「2018 Elevate Summit(the 2nd Annual Uber Elevate Summit)」(2018年5月8~9日、米国ロサンゼルス)で、同社や同社のパートナー企業が発表した垂直離着陸(VTOL)型のコンセプト機である。
Uberは、都市部や都市近郊での空のライドシェアサービス「uberAIR」を、2023年に開始することを目指している。その目標に向けて、Uberは「Uber Elevate」というプロジェクトを立ち上げ、「Elevate Summit」と呼ぶカンファレンスを年に1度開催している。
uberAIRでは、燃費の向上や騒音の低減、構造の簡素化によるメンテナンス負荷の低減などが可能になることから、電動のVTOL機の利用を前提にしている。構造が簡素な分、斬新なデザインにもつながる。
冒頭の技術者を驚かせたのは、スロベニアの小型航空機メーカーPipistrelのコンセプト機である(図1)。外観からは、垂直離着陸用の回転翼が見当たらず、固定翼の小型航空機に見える。固定翼のような部分の根元に、小型の回転翼をいくつか配置しているようだ(図2)。電動VTOL機は、小型ドローンのように、複数のローターを搭載するタイプが一般的で、同社のコンセプト機のような形状は珍しい。
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