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 独アウディ(Audi)は、自動車のテールライトカバーの試作設計に3Dプリンティング(Additive Manufacturing:AM)技術を導入する(プレスリリース)。米国とイスラエルに本社を置くストラタシス(Stratasys)のフルカラー・マルチマテリアル対応3Dプリンター「Stratasys J750」を新たに採用し、これまで試作に手間と時間が掛かっていたテールライトカバーの生産性向上を目指す。

 Audiはこれまで、新車の試作設計に3Dプリンティングを積極的に活用してきた。新車のデザインやコンセプトの評価を行う「Audi Pre-Series Center」(ドイツ・インゴルシュタット)内の施設「Audi Plastics 3D Printing Center」では、Stratasys製の他機種や独EOSエレクトロ・オプティカル・システムズ製の3Dプリンター10台を活用してプラスチックパーツの試作を実施している。

Stratasysの3Dプリンター「Stratasys J750」
最大6種類の造形材料を同時にプリントできる。色の異なる透明パーツが組み合わさったテールライトカバーの試作加速化に役立つとAudiはみている(出所:Stratasys)
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 今回Audiが新たに導入するJ750の特徴は、最大6種類の造形材料を同時に利用可能なことである(関連記事:「Stratasysがフルカラー3Dプリンターを投入」)。複数の着色材料(CMYK、白)を組み合わせて50万色以上のフルカラープリントが可能であり、さらに透明材料を組み合わせれば、従来機種では難しかった「色付き」かつ「透明」なパーツを高い色再現性で作成できる。

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色の異なる複数のパーツから成るテールライトカバー
従来は各パーツを個別に造形してから組み合わせていたため、試作段階で手間と時間が掛かっていたという(出所:Business Wire)

 J750を導入することで、テールライトカバーの試作リードタイムを最大50%削減できるとAudiは期待する。これまで同社は、テールライトカバーの試作品製作において、色の異なる個々の透明パーツを射出成型や切削加工でそれぞれ造り、一体に組み立てて成形していた。3Dプリンターを使って単一のパーツとして印刷することで、各パーツの成形や組み立ての工程をなくし、設計検証プロセスを短縮化できるとみる。

 Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンは、2018年6月20~22日に東京ビッグサイトで開催される「第29回 設計・製造ソリューション展」で、3Dプリンティングで造形したAudiのテールライトカバーの試作品を出展する予定。