格安スマホに代表されるMVNO(仮想移動体通信事業者)の促進を図りたい総務省。5G周波数割り当ての審査基準にはMVNOの促進策が盛り込まれている。「MVNOへの提供計画がより充実している事業者を評価する」というものだ。

 MVNOの促進策は2014年から入っていたが、今回は「5G基盤展開率」や「屋外の特定基地局数」と並ぶ高い配点を付ける項目として重視した。携帯4社が総務省に提出した開設計画を見ると、ここでも大きな違いが見られた。

MVNOの促進に関する審査結果
NTTドコモの評価が最も高かった
NTTドコモKDDI、沖縄セルラー電話ソフトバンク楽天モバイル
3.6GHz~4.0GHz帯4点8/3点4/3点0点
28GHz帯4点8/3点4/3点0点

auはSIMプロビジョニング機能を提供

 最も評価が高かったNTTドコモは5Gの商用化に合わせてMVNOにも設備を貸し出す予定である。同社の開設計画で最も興味深かったのは、「フルMVNO」として加入者管理機能を保有できる「HLR/HSS(Home Location Register/Home Subscriber Server)連携機能」について、「一部のMVNOに提供を開始しており、さらに複数事業者からの正式申し込みを受諾」と強調していた点だ。

 現在、NTTドコモのHLR/HSS連携機能を使って独自SIMの発行などを手掛けるフルMVNOは、インターネットイニシアティブ(IIJ)だけだ。同社の他に少なくとも2社以上が新たにフルMVNOとして参入することを意味する。日経 xTECHの取材によると、NTTコミュニケーションズがNTTドコモにHLR/HSS連携機能を申請済みであり、2020年前半にサービスを始める計画だ。

 KDDI(au)も5Gの商用化に合わせてMVNOに設備を貸し出す。HSS連携は2020年度(卸役務の場合、相互接続は2022年度)、eSIM(Embedded SIM)サーバーとの連携機能も2023年度から提供する。さらにHSSやeSIMサーバーを自ら用意できないMVNOに対しては、「リモートSIMプロビジョニング機能」を2023年度から提供するとした。

 リモートSIMプロビジョニングとは、携帯電話網との接続に必要なプロファイル情報を遠隔から書き換える機能のこと。MVNOは現状、HLR/HSSを保有するフルMVNOを除き、eSIMに対応できない。今後、eSIM対応の端末が増えていくと想定される中、大きな課題となっている。KDDIはフルMVNOでなくてもeSIMに対応できる機能の提供をいち早く表明し、総務省に積極的な姿勢をアピールした。

 この他、同社は4Gと併用する「NSA(Non-Standalone)」だけでなく、5G単独で動作する「SA(Standalone)」に言及。SAは2021年の導入を予定し、MVNOからの要望に応じて協議する考えを示した。

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