日本語としては正しいが、言い回しや言葉遣いが冗長で、スムーズに読み進められない文章がある。どうしたら、引っかかりのないスラスラ読める文章になるのだろうか。今回は「分かりやすさ」を高める10箇条を取り上げる。

その1:一つの文章は短くする

 まず、一つの文章をできるだけ短くしよう。次の文章を読んで、すぐに意味が分かるだろうか。

システム開発や運用の担当者が、迅速なシステム開発やリリースを実現するために使うDevOpsツールは、ここ数年で企業への導入が進んでいる。

 この文の骨格となる主語と述語は、「DevOpsツールは」と「導入が進んでいる」である。だが「DevOpsツール」に係る修飾語の中にも別の主語・述語が含まれているため、文の構造が分かりにくい。

 このように、主従関係にある複数の主語・述語の組み合わせを含む文を「複文」という。複文は二つ以上の文に分けると読みやすくなる。この例の場合は、「DevOpsツールとは、システム開発や運用の担当者が、迅速なシステム開発やリリースを実現するために使うものだ」「ここ数年で、企業への導入が進んでいる」と分割すれば読みやすくなる。

 文が短いほど、読み手は意味をつかみやすい。執筆・推敲の際は、「この文は二つに分けられないか」「この形容詞や副詞は削れないか」といった具合に、できる限り短い文にすることを心がけよう。

その2:語順は分かりやすくする

 語順は、文章の読みやすさを大きく左右する。以下は、語順が悪いために読みにくい文章の例だ。

SCMシステムを取引先とともに商品在庫量を削減するため導入する。

 「普通、こんな分かりにくい語順にはしないだろう」と思うかもしれない。しかし思いつくままに文章を書いていると、このような語順になることは珍しくない。私たちは文章を書くとき、無意識のうちに、強調したい語句から並べていく傾向があるためだ。

 この例の場合、書き手にとって最も強調したい語句は「SCMシステム」。次が「取引先とともに」「商品在庫量を削減するため」だった。強調したい順にそのまま頭から並べていったら、こうなってしまったわけだ。

 日本語は、文章を様々な語順で書けるという特徴がある。そのため、語順を意識せずに文章を書いてしまいがちだ。しかし語順は、文章を分かりやすいものにするためにとても大事な要素といえる。「主語と述語を近づける」「目的語(~を)を述語(~する)のすぐ前に配置する」「長い修飾語は短い修飾語の前に配置する」といった原則を踏まえ、最も分かりやすくなる語順を探そう。

 先の例文の場合、「商品在庫量を削減するため、取引先とともにSCMシステムを導入する」と直すと、ぐっと分かりやすくなる。

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分かりやすい語順にする

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