本記事は、日経 xTECHの「オラクルの手から離れたJava EEの運命」(2018年5月23日掲載)を再編集したものです。

 「Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)が米オラクル(Oracle)から離れたことは良かったと思っている」。Java EEを採用した情報システムやJava EE対応製品を開発するITエンジニアは口ぐちにこう話す。Java EEは、Javaを利用した企業システムのサーバーサイドの開発に使われる標準仕様だ。

 Java EEの仕様策定を取りまとめていた米オラクル(Oracle)は2017年9月、Java EEを米Eclipse Foundationに移管すると発表した。Java EEの仕様はこれまで「JCP」(Java Community Process)と呼ばれるコミュニティで決めていた。これからは新たにEclipse Foundationのオープンソースのコミュニティで決まることになる。

 「Java EEの個々のAPIについて、ワーキンググループ(WG)が設置され始めている」と日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括の伊藤敬 シニアマネージャは説明する。「開発の方向性も踏まえ、現在、今後の議論をしている段階だ」という。

 こうしたJava EE関連の動きは、Javaの標準的な開発実行環境である「Java SE」とは全く異なる。Java SEも2017年9月に開発サイクルやサポートなどが大きく変わると発表されたが、Java SEの開発体制は今後もあまり変わらない。

Javaの名前が使えなくなった

 Java EEがJava SEと大きく異なる点の一つが名称の変更だ。Java EEの仕様策定がEclipse Foundationに移管された結果、Java EEは今後「Jakarta EE」という名称に変わることが決まった。Java SEがそのまま「Java」の名称を利用するのとは異なる。Jakarta EEという名称は、Eclipse Foundationでの投票で決まった。

 もう一つ、Java SEと異なっているのは、Java EEは次期版の仕様がまだ明確に決まっていないことだ。オラクルからEclipse Foundationに対し、Java EEの資産の移管が完了してから、今後のJakarta EEの詳細が決まる見込みだ。

 ただし、Java EEの最新版であるJava EE 8とEclipse Foundationが開発するJakarta EEはそれほどかけ離れたものにはならない見込みだ。米オラクルでJava EEのエバンジェリストを担当するDavid Delabassee氏は「完全な互換性がなければならないと考えている」と話す。Eclipse Foundationへの移管によりJava EEからの継続性が失われる、といったことはなさそうだ。

米オラクルでJava EEのエバンジェリストを担当するDavid Delabassee氏
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