腐食状況や根入れ長さ以外にも、地中に埋まる構造物の安全性を評価するうえで重要な指標がある。斜面や構造物を安定させる抑止工であるグラウンドアンカーの緊張力だ。

 法枠などの地表構造物と地中内にグラウトで造成する「アンカー体」とを、ストランドというプレストレスト・コンクリート(PC)鋼より線で連結したものが、グラウンドアンカーだ。緊張力によって構造物を安定させるため、その値が設計の想定を外れると、ストランドの抜けや破断が生じ、法面の崩壊につながる恐れがある。それだけに、供用後は緊張力の管理が欠かせない。

 現状では、建設時にアンカー頭部に荷重計を設置して計測する方法があるが、耐用年数はアンカーの供用年数に満たないうえ、交換は非常に困難だ。そのため、油圧ジャッキでアンカーに引張荷重を載荷・除荷して、緊張力を測るリフトオフ試験などを採用することになる。

リフトオフ試験。試験費は1本当たり約30万円かかる(写真:西日本高速道路会社)
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 ただし、この装置は大掛かりで1日1、2本程度しか試験できないほか、現場の状況次第では足場が必要になる。さらに、載荷し過ぎるとアンカーが切れる恐れがあり、傷が入らないという保証はない。

 このような背景から、西日本高速道路会社と大阪大学、積水化学工業は、X線回折を用いてグラウンドアンカーの緊張力を評価する手法を共同で開発している。

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