愛知県大治(おおはる)町の町立大治西小学校体育館で2015年5月、天井吹き付け材の剥落事故が発生した。町が設置した事故調査委員会は同年9月、設計者、施工者、メーカーに施工不良の連帯責任があるとする報告書を公表した。

 事故が起こったのは5月18日午後8時ごろ。町内のバレーボール団体から、体育館で練習中に突然、天井の一部が落下したとの通報があった。大治町の担当者がすぐに現場を確認したところ、屋根裏に吹き付けてあったロックウールが約1m2の範囲で剥落し、折板屋根の素地がむき出しになっていた〔写真1~3〕。けが人は無かった。

〔写真1〕むき出しになった屋根裏
ロックウールがまるごと剥離していることから、屋根裏との付着強度に問題があったことが分かる(写真:大治町)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真2〕体育館は立ち入り禁止に
剥落は通報のあった日から継続して発生した。6月21日までに計10m2の吹き付け材が剥落した(写真:大治町)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真3〕厚さ2cm程度の塊が落下
落下した吹き付け材の例。灰色部分が基材ロックウール、白色部分が仕上げ材のクールフォーム(写真:大治町)
[画像のクリックで拡大表示]

 体育館は事故当日から使用禁止となった。町は応急対策として天井吹き付け材を撤去し、屋根裏を塗装した。今後、騒音や断熱への対策を実施する予定だ。

直張り天井撤去後の事故

 東日本大震災で多くの学校体育館の天井が落下したことを受け、文部科学省は2012年、学校施設の天井落下防止対策を進めるよう、全国の教育委員会に通知した。これに従い町は岩崎設計事務所(名古屋市)に各体育館の天井調査を依頼。大治西小学校の直張り天井は落下の危険があるという報告を受け、改修工事の設計を同社に委託した。工事は14年5月から9月にかけて実施。工事完了から1年もたたないうちに事故は起こった。

 同体育館は折板屋根で、屋根裏にはロックウールが吹き付けてあった。岩崎設計事務所は天井撤去後、既存ロックウールの粉じんが飛散しないように、菊水化学工業(名古屋市)の販売する液剤「ロックシール」で付着・固化したうえ、不燃断熱材「クールフォーム」を吹き付ける工法を採用した。施工は後藤建設(名古屋市)が担当した。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら