大型台風の上陸が増えている。2017年10月、超大型の台風21号が本州に上陸。築2年の木造施設が強風に遭い、金属ぶきの屋根が太陽光発電パネルごと大きく脱落する被害が出た。風対策の再点検が求められている。

事故の概要 強風により、道の駅「妹子の郷」(大津市)の地域振興施設の屋根が下地ごとめくれ上がった。崩落した580m2のアルミ亜鉛メッキ鋼板ぶき屋根の上には、126枚(208m2)の太陽光発電パネルが設置されていた。パネルの復旧費用だけでも3000万円に達する見込みだ(写真:大津市)
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 琵琶湖西岸を走る国道161号(湖西道路)の和邇(わに)インターチェンジ内に大津市と国土交通省が整備した道の駅「妹子の郷(いもこのさと)」。2015年8月のオープン後は年間80万人が訪れた人気スポットだ。大津市の地域防災拠点の1つでもあり、防災倉庫や非常用発電設備を備えていた。17年10月23日、この道の駅を超大型で非常に強い台風21号が襲った。

 台風の本州上陸時、滋賀県下も暴風圏にあった。国交省がまとめた台風21号に関する被害状況の報告によると、23日の夜0時31分、道の駅から10km程度離れた大津市南小松において、最大瞬間風速44.2m/秒に達する北北東の風が観測された。

 この強風で道の駅では、太陽光発電パネルを搭載したアルミ亜鉛メッキ鋼板ぶきの屋根が、下地合板ごとめくれ上がる格好で脱落した〔写真1〕。

〔写真1〕築2年でも大きな被害に
台風通過直後の状況。めくれ上がった屋根には太陽光発電パネルや架台が残存していた。(写真:大津市)
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屋根下地材ごとめくれ上がったため、コンビニエンスストアなどが入居する屋内には大量の雨が降り込んだ(写真:大津市)
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 道の駅のエントランスは北向きで、台風の強風をほぼ正面から受けた。エントランスの自動ドアが強風に押されて枠ごと歪み、開かなくなったほどだ。エントランス方向に軒が1.2m出ていたが、風でこの軒が飛散した。木製の軒裏天井などは10m以上先の道路まで飛ばされた〔図1〕。

〔図1〕風上側に軒が突き出していた
東側から見た施設の断面図。脱落したのはハイサイドライトの上部に1.2mの軒を設けた屋根だ。施設の設計者はアサヒ設計(大津市)と岩佐建築設計事務所(同)、施工者は内田組(同)など5社。工事費は5億5600万円(資料:大津市の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 道の駅駅長が確認に出向いたのは23日午前2時過ぎ。すでに屋根面は脱落していた。コンビニエンスストアが営業中だったが、事故当時に客はおらず、店員は避難していて無事だった。

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