AI(人工知能)の業務システムへの適用が増えるにつれ、当初の期待とは程遠い「ポンコツAIシステム」を多く目にするようになっている。ポンコツAIシステムに陥るのを避けるには、AIシステムを意識した開発プロセスを採用する必要がある。

 最近のAIブームの影響もあり、優れたAIシステムの成功事例が多数出てきている。その一方、期待外れな“ポンコツ”AIシステムになってしまった話もよく聞くようになっている。定番のわずかな種類しか予測できない商品需要予測システム、新しい製品が出ると当たらなくなる中古品市場の価格予測システム。こんな期待外れのポンコツAIシステムになってしまうと、開発プロジェクトを中断する羽目になったり、導入したものの使われないシステムになったりする。

ポンコツAIシステムの典型例
開発プロジェクトを中断する羽目になったり、導入したものの使われないシステムになっ たりする
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 ポンコツAIシステムのパターンは様々。本特集では特に起こりがちな(1)現場で使われない、(2)いつまでも完成しない、(3)運用中に予測精度が劣化、という3つのパターンを取り上げ、回避法を解説する。

AIシステム必須の分析プロセス

 ポンコツAIシステムに陥る原因として多いのが、AIシステム特有の開発プロセスへの理解不足だ。ポンコツAIシステムの詳細を解説する前に、まずはAIシステムの開発プロセスを説明しよう。

 AIシステムと通常のシステムで最も違うのは、入力データが変化すると、出力データの傾向まで変わることだ。通常のシステムでは、決められた関数式(ロジック)に入力データを与えて、結果となる出力データを得る。バグがない限り、入力データに対する出力はシステム設計の想定通りになる。一方、AIシステムはデータを「学習」をすることで関数式を変化させる。そのため、出力データの想定が難しい。

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