2020年が幕を開けた。デジタル技術の進化によって人々の生活や社会はどう変わるのか。企業はどんな対応をすべきか。商機はどこにあるのか。20の技術や市場・関心事を対象に、2020年の行方を大胆予測した。今回は量子コンピューターを取り上げる。

 米グーグルは特定の計算においてスーパーコンピューター(スパコン)をしのぐ性能を示した量子プロセッサー「Sycamore(シカモア)」を2020年に企業が本格利用できるようにする計画だ。業界ごとに1~2社を選んで共同研究を始める。さらに2020年末から2021年にかけて、利用企業は増えると予測する。

 加えて2020年中ごろにはメーカー3~4社の量子コンピューターをネット経由で手軽に使える環境が整う計画だ。化学メーカーを筆頭に自動車、航空機、金融などのトップ企業が用途の開拓を進め、2023年ごろにはビジネスでの本番運用が始まるだろう。

図 実機での計算を実現している量子コンピューターの種類
アマゾン参入で開発競争が過熱
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IBMは15システムを稼働中

 グーグルの話題が多い領域だが、実は現時点で量子コンピューティングの世界最大とも言えるエコシステムを構築しているのは米IBMだ。90以上の企業・団体が同社の量子コンピューターを遠隔から使っている。

 日本でも化学メーカーではJSRや三菱ケミカル、自動車関連では本田技術研究所、金融業ではみずほフィナンシャルグループや三菱UFJ銀行などが試用している。IBMは5量子ビット機から53量子ビット機まで15種類のシステムをIBM内で稼働させ、企業にネット経由で貸し出している。

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