2020年が幕を開けた。デジタル技術の進化によって人々の生活や社会はどう変わるのか。企業はどんな対応をすべきか。商機はどこにあるのか。20の技術や市場・関心事を対象に、2020年の行方を大胆予測した。今回はブロックチェーンを取り上げる。

 ブロックチェーン技術を活用した最初の商用サービスとも言えるビットコインが稼働して10年。以降、インターネット以来の革命と期待されつつも大規模商用サービスの普及に結びつかなかった本命技術が2020年についに花開く。

 有力候補が新しい資金調達手法の「STO(セキュリティー・トークン・オファリング)」である。トークンとはブロックチェーン上で生成した独自コインを指す。単純な通貨としてではなく、様々な機能や価値をひも付けられるのが特徴だ。STOの場合、トークンは「デジタル証券」という位置づけだ。

図 STO(セキュリティー・トークン・オファリング)の流れ
投資の小口化が可能に
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 一般に株式証券や発行には当事者である発行企業だけでなく、証券会社や法律事務所など複数のステークホルダーが関わる。デジタル証券でも同じで、この複数の関係者の情報共有をブロックチェーンが担う格好だ。

 ブロックチェーンはもともと「スマートコントラクト」と呼ぶ、一定のルールに基づいて取引処理を自動化する機能を備える。STOはスマートコントラクトを使って、証券の取引や配当を自動執行する。これにより発行コストを減らし、従来は証券化の対象となりにくかった小規模資産やプロジェクトを金融商品として販売する道を開くわけだ。

 代表例が不動産の証券化である。世の中には既に、複数の不動産を組み込んで証券化するREIT(不動産投資信託)が存在する。これに対してSTOであれば、REITが組み込んできた個別の不動産をそれぞれ証券化、トークン化し、透明性の高い形で投資家に提供できる。ESG投資の盛り上がりを受け、再生エネルギー関連のプロジェクトの証券化も有望分野という。

 ブロックチェーンを使ったサービスに詳しいデロイト トーマツ コンサルティングの園部光宏シニアマネジャーは「(ブロックチェーンの)キラーコンテンツになりえる」と期待を寄せる。

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