[デジタルヘルス]最も読まれた記事はポケモンGOに「医療費2兆円抑制効果」

2019/12/27 05:00
河合 基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

(写真:123RF)

 2019年の「デジタルヘルス」分野では、ニュース解説「『ポケモンGOで約2兆円の医療費抑制』、ポケモン石原社長が講演」が最も読者の関心を集めた。ポケモンGOを利用する世界中のユーザーが歩いた距離の合計は約230億kmにもなるという。この数値をある研究結果に当てはめると「医療費抑制額が約2兆円になる」ことをポケモンの石原恒和社長が紹介した。スマートフォンのゲームによって約2兆円もの医療費の抑制につながる可能性があるという驚きを与えた。同時に、既に我々の身近なところで、デジタル技術が健康・医療・介護の分野にイノベーションを起こしつつあることを感じさせた。

 20位までの記事を見ると、大きく2つの傾向が読み取れる。1つは「病院のスマート化」だ。病院がAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)などの先進技術を取り入れて進化する姿を紹介した記事が人気だった。例えば北原病院グループは、顔画像などの生体情報や治療に対する意思、病歴などを事前に登録しておくシステムを提供する。救急搬送時には顔や指静脈、指紋を組み合わせた生体認証で個人を特定し情報を瞬時に引き出す。この他に倉敷中央病院の予防医療プラザでは、健康診断を受けると現状の結果だけではなく、1年後から3年後の健康状態をAIで予測して結果を返す取り組みを始めた。医療従事者は医療のさまざまな課題解決に向けて先進技術に大きな期待を寄せている。2020年も病院の進化は止まらないだろう。

 もう1つは「製薬企業のデジタル化」である。アプリなどソフトウエアを活用して治療する「デジタルセラピューティクス(Digital Therapeutics:DTx、デジタル治療)」を手掛ける製薬企業の動向に読者の関心が集まった。2019年は大塚製薬や塩野義製薬、アステラス製薬が、治療用アプリを開発するベンチャー企業と提携するといった動きが相次いだ。DTxの開発を推進する「日本デジタルセラピューティクス推進研究会」も発足しており、DTxの開発はさらに加速しそうだ。その中でも2020年は、ベンチャーのCureApp(キュア・アップ)が日本で初めて承認申請した治療用アプリが、承認を得て保険適用されるかに注目が集まる。

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期間:2019年1月1日~12月20日
順位タイトル
1位「ポケモンGOで約2兆円の医療費抑制」、ポケモン石原社長が講演
2位痛み・被曝なしで乳がん検査、新手法「マイクロ波マンモグラフィー」の衝撃
3位中年男性は知っておきたい、身だしなみ確認用「体臭チェッカー」の意外な用途
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5位日立系ITシステム2社が合弁、「日立医薬情報ソリューションズ」に
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7位岡山大学病院が56個のビーコンを設置したワケ、医師の勤怠管理を効率化
8位「歩けばコーラがもらえる」にはまって考えた、ヘルスケアとインセンティブ
9位日本の医療を変える「スマートホスピタル」、これが未来の病院だ
10位医薬品の完全代替を目指す、アプリで「不眠症を治療」へ
11位AIトイレが便の形や大きさを判定、LIXILが初公開
12位「医薬品だけ」は終わり、製薬企業が急速にデジタル化するわけ
13位米国で先行する「デジタルセラピューティクス」、治療の選択肢が拡大
14位IoT化で医療機器のハッキングのデモが相次ぐ
15位八王子からGAFAに挑む、病院理事長が明かす「医療中心プラットフォーム」とは
16位デジタルヘルスで「治療」以外も目指す、アステラス製薬Rx+事業創成部
17位製薬企業とベンチャーの提携相次ぐ、アプリと医薬品の併用療法を視野
18位スマホから音声入力で電子カルテに直接記録、HITO病院
19位NTTデータがITで解決を狙う、生命科学実験における「あの悩み」
20位ファイザーがLINEを選んだワケ、禁煙支援の公式アカウント開設

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