日経アーキテクチュアによる「10大建築人2020」で10位に入ったのは、建築家、起業家として建築系スタートアップのVUILD(ヴィルド、川崎市)を率いる秋吉浩気氏。パソコン制御の工作機械と独自開発の3次元デザインツールを組み合わせ、木工のデジタルファブリケーション分野を切り開いている。

 1988年生まれの秋吉浩気氏は「建築家」の立場から、木工のデジタルファブリケーション分野を先導している。新たなものづくりのプラットフォームの構築にまい進。2019年10月には、同技術を全面的に使った建築プロジェクト第1号「まれびとの家」を富山県南砺(なんと)市に完成させた。

VUILDの秋吉浩気代表取締役。19年10月に富山県南砺(なんと)市利賀村に完成した「まれびとの家」の前にて(写真:生田 将人)
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「まれびとの家」の内観(写真:生田 将人)
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 秋吉氏の活動には、多面的な狙いがある。まず、地域との関係を築くことができる「木工」という生産手段を、建築家が関わり得る領域として改めて再生しようとしている。

 VUILDは、米国製のデジタル木工機械「ShopBot(ショップボット)」の国内販売代理店を務め、全国各地の製材所、材木店、工務店にこれを納入してきた。もともとDIYユースに対応するShopBotは、500万円程度で導入できる。設備投資のハードルが下がり、大工などの不足する産地の課題を解決し得る。

 ShopBotの納入実績は46カ所に達したところだ。導入支援や現地におけるワークショップなどを通じ、木工の各段階に関わる生産・流通者のネットワークづくりを進めてきた。高度なデザインの家具や建築に対応する部材を各地から出荷できる体制が整いつつある。

川崎市のVUILD本社に置かれているデジタル木工機械「ShopBot(ショップボット)」。ShopBotを販売展開する際に生じる課題の解決と、元来のVUILDの構想である「建築の民主化」という観点を重ね合わせて「EMARF(エマーフ)」事業を立ち上げた(写真:日経アーキテクチュア)
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ShopBot納入先のうち21カ所を連携するサービス拠点としてアナウンスしている。「ShopBotは国外にも7000台以上普及しているので、EMARFをプラットフォームとして輸出できれば、今抱いている世界観を地球規模で実現できる」(秋吉氏)(資料:VUILD)
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