五感のデータを駆使して心地よさを探る技術、「快感テック」が普及し始めている。蒸留酒大手の日本法人、バカルディ ジャパンは高級ジン「ボンベイ・サファイア」のマーケティングで、味覚を数値化する快感テックを活用している。ボンベイ・サファイアを使ったジントニックの味を分析して、相性の良い食品を紹介するプロモーションを展開中だ。

高級ジン「ボンベイ・サファイア」を使ったジントニック
(出所:バカルディ ジャパン)
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 味の分析に採用したのは、慶応義塾大学発のベンチャー企業AISSYが開発したAI味覚分析装置「レオ」だ。味の要因となる化学物質を検知する複数のセンサーを搭載しており、投入された食品や飲料の成分を自動的に分析する。検知した化学物質の種類と量を基に、ニューラルネットワークで解析して人が感じる味を推定する。

AI味覚測定装置「レオ」
(出所:AISSY)
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 ニューラルネットワークを利用するのは「人が感じる味は成分の相互作用で変わるから」(AISSYの鈴木隆一社長)。カフェインは苦味の要因となるが、砂糖を加えると甘味が増すと同時にカフェインの苦味を覆い隠す。レオは物質同士の相互作用を解析して、味を甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5軸で数値化できる。

 食品と飲料の相性度も算出できる。「異なる味の特性を持った食品と飲料の組み合わせで、味のバランスが取れた時においしいと感じる」(鈴木社長)という仮説に基づき計算している。仮説ではあるものの、実食時の感想とほぼ一致するという。

 分かりやすい例がごはんだ。お茶との相性度は97点と高いが、牛乳との相性度は73点と低い。90点以上は多くの人が「おいしい」と感じ、80点未満は多くの人が「まずい」と感じるという。

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