異種材料接合(異材接合)のビジネスチャンスが大きく広がり始めた。締結要素や溶接を使わずに、異なる2つの材料を強固にくっつける接合技術だ。その接合特性を改良する方法の1つが、温度変化による膨張・収縮の差や、弾性率の違いによる変形の差を吸収できる緩衝層だ。接合界面にかかる応力を分散できるので、局所的に少しずつ接合が壊れる事態が生じにくいのも長所だ。

PA系の粉体塗装技術を応用

 ダイセル・エボニック(本社東京)はポリアミド(PA)系の粉体を塗装する技術を発展させ、金属とPAを接合するポリマー「MENDEX」を開発した。既に採用に向けてユーザー企業と打ち合わせを進めている段階だという。大面積での接合に向いており、温度変化や外力による変形に強い特徴がある。接合界面にポリマーによる接合層を形成する技術だ。

 接合工程は、金属表面にMENDEXを塗布し、熱をかけて塗膜として固定する。この状態は、塗装したのと同じであり、金属表面が保護されているので長期保管が可能。必要に応じて曲げなどの2次加工を施せる。その上でPAをインサート成形でオーバーモールドすると、MENDEXとPAが相互に架橋して接合する(図1)。

図1 MENDEX(ダイセル・エボニック)での接合工程
金属表面に粉体塗装で接着性パウダーの層を作り、射出成形などでプラスチック部を形成する。(ダイセル・エボニックの資料を基に日経ものづくりが作成)
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 ISO19095の引っ張り試験片による接合強度は約25MPa。ドイツ・エボニック(Evonik)が開発した同様の方式のポリマーで、MENDEXの“前身”に当たる「VESTAMELT Hylink」が約13MPaだったのと比べ、接合強度を約2倍に高めた。

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