PCのシステムストレージの容量が足りなくなったら、外付けHDDを追加して容量を補うのが一番簡単だ。USB接続のタイプなら、PCと外付けHDDをUSBケーブルでつなぐだけでよい。しかし、同じLANにつながったPCが複数台ある場合、それぞれに外付けHDDを追加するのはコスト面で無駄が大きい。各PCのユーザーが、外付けHDDを適切に管理できるとも限らない。

 こうしたケースでお薦めなのが、ネットワークにつながったストレージであるNAS(Network Attached Storage、ナス)だ。複数ユーザーからのアクセスに対応しており、ユーザー同士でファイルを共有可能だ。もちろんそれぞれのユーザーのファイル保存先としても使える。今回はNASの利便性と種類、そして導入方法を紹介していく。

小規模オフィスで大容量ストレージを導入したいならNASがお薦め
(撮影:竹内 亮介)
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外付けHDDより安心して利用でき、管理も容易

 NASは、その名の通り「ネットワークに接続するストレージ」である。一般的な外付けHDDは、USBポートを通じてPCと接続する。あるPCに接続された外付けHDDは、原則的に別のPCから利用できない。

 一方でNASは、PCを介さず直接LAN(Local Area Network)につながっている。PCからLAN経由で利用するため、PCとNASの関係は1対1ではない。1台のNASに複数のPCから接続し、同じフォルダーに対してアクセスする使い方も可能だ。

 共同作業で使うファイルをNASに置いておけば、USBメモリーなどを使って都度ファイルをやりとりする必要がない。こうした特性から、NASは少人数のSOHOや、5~6人程度の部署単位で導入される場合が多い。

 またNASは、利用するユーザーごとに細かくアクセス権限を設定できる。ユーザーAは「業務で大容量の動画データを扱う必要があるので1Tバイトまで使用可能」、ユーザーB~Eは「WordやExcelで作る書類を扱う程度なので1人50Gバイトまで使用可能」など、ユーザーの業務に合わせて適切な利用可能領域を設定できる。

外付けHDDとNASの特性の比較
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 ファイルを安全に保存するための仕組みも備えている。NASの多くは、複数のHDDを組み合わせて容量が大きな一つのストレージを作る「RAID」という機能に対応する。RAIDに組み込まれたHDDに保存したファイルは、RAIDを構成するHDDが壊れても復旧できる仕組みを備えている。壊れたHDDを取り外し、新しいHDDを追加すれば、元の状態に戻せる。