「ネイビーのスーツでしたらこのようなストライプ柄もございます」「もう少しカジュアルなタイプがご希望でしたらこちらのスーツはいかがでしょうか」。スーツ店の販売スタッフが店内の大型タッチパネルを操作しながら来店客に商品を提案していく――。紳士服最大手の青山商事が運営する新型店舗「デジタル・ラボ」での接客の様子だ。

洋服の青山 秋葉原電気街口店。青山商事の新型店舗「デジタル・ラボ」の1号店である
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 デジタル・ラボは試着によるサイズ確認ができる「実店舗」と品ぞろえが豊富な「ネット通販」のいいとこ取りを目指した新型の店舗だ。店内に大型タッチパネルを複数配置し、青山商事のネット通販と全国約800店舗(通常店舗とデジタル・ラボの合計)の商品在庫を扱う。総在庫数は1000万点以上に上るという。2019年11月時点で、秋葉原電気街口店をはじめ38店舗を展開する。

 店舗では来店客に試着してもらいサイズを確かめたうえで注文を受ける。店舗に在庫が無い商品については物流センターや他店舗の在庫を引き当てサイズを補正して自宅に送る仕組みだ。

 青山商事の星川敦EC事業部長は「店舗とネット通販を連動させることで、小型店舗でも大型店舗並みの品ぞろえを実現できる」とデジタル・ラボを立ち上げた狙いを説明する。スーツは一般にA体、Y体、AB体、B体といった体形に合わせた型に加え、4号、5号、6号といった大きさの2種のサイズがある。スーツの品番(ここではサイズを含まないアイテム種別)ごとにサイズ違いで10〜20着を用意する必要があり、カジュアル衣料と比べて在庫管理が難しいとされる。

品番ごとに1サイズだけを陳列

 デジタル・ラボの店舗では原則、品番ごとに1つのサイズだけを置く。1つのブランドのスーツについて「グレーの無地はA体5号だけ、ネイビーのストライプはA体6号だけ」といった具合に陳列し、同じ色柄のサイズ違いを並べない。色柄が違っても全サイズあれば試着して着心地を確認できると割り切った。

 青山商事は主に自社企画ブランドとパートナー企業との共同企画のブランド商品を扱う。ブランドごとに型紙を統一しており、「A体6号」のようにサイズが同一なら色柄が違っても着心地は変わらない。そのため、色柄ごとにサイズ違いの在庫を用意する必要が無い。店舗の商品を試着用として使い、来店客は「生地はこのネイビーのストライプのスーツ、サイズはこのグレーの無地のスーツ(A体6号)」といった形で注文する。

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