ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)とLINEは2019年11月18日に都内で記者会見を開き、経営統合に基本合意した背景や統合の進め方などについて両社のトップが説明した。

記者会見で握手するZホールディングスの川辺健太郎社長(左)とLINEの出沢剛社長
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 LINEの出沢剛社長は経営統合へと2社を突き動かした背景には「米国と中国の巨大IT企業に対する危機感があった」と説明。ZHDの川辺健太郎社長も「米国・中国勢との差がこれ以上広がると、ヤフーやLINEの問題だけでなく国内産業の競争力に関わってくる」と補足した。

 そのうえで川辺・出沢両社長は米中勢に対抗すべく、「日本・アジアから世界をリードするAI(人工知能)テックカンパニーを目指すという志を共有した」と狙いを説明した。

 両社の経営統合後はZHDがヤフーとLINEの2社を全額出資子会社として束ねる。記者会見ではZHDとLINEを単純合算した経営統合後の時価総額などの指標を取り上げ、米国・中国勢の主要な企業と比較して見せた。経営統合後のZHDの時価総額は3兆円、営業利益は1600億円規模と日本国内では屈指の巨大インターネット企業となる。

ZホールディングスとLINEの2社を単純合算した主な指標と、米中勢との比較。比較対象は米グーグルと米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム、中国アリババ集団、中国テンセントとみられる
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 だが、米中勢は時価総額が44兆~98兆円に達し、営業利益は1兆~3兆円規模を稼ぎ出す。2社が経営統合したところで、米中勢とはなお10倍超の開きがある。研究開発費に至っては2社合計でも200億円で、2兆~3兆円を投じる米国企業とは100倍超の開きだ。

 出沢社長は対話アプリ「LINE」が普及する台湾やタイなどのアジア諸国に2社協業で打って出る考えも示したが、それでも米中勢の背中は遠い。米中勢にどう対抗していくのかとの質問に対し、川辺社長は「米巨大IT企業のサービスは日本でもユーザーに支持されている。我々は日本の課題に的確にフォーカスした国産のAIやデータサービスを、(米IT企業などとは別の)もう1つの選択肢として提供する」とした。

 これからますます広がるAIやデータ分析において、日本市場を海外勢から死守するための経営統合という事情もにじませた。

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