ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)とLINEは2019年11月18日、経営統合で基本合意した。2019年12月をめどに最終契約を結び、2020年10月までの統合完了を目指す。

 幅広いサービスを持つ両社だけに、統合の狙いや効果は広範囲に及ぶ。その中でも注目なのは、両社が同日朝に発表したリリースで統合効果の1番目として挙げた「データの活用」だ。

「最もまずい組み合わせかもしれない」

 マーケティングでの活用を考えれば、1億人を超えるとされる巨大な顧客基盤が生み出すデータを1つの企業グループが持つメリットは計り知れない。2011年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「パーソナルデータは次世代の石油」と指摘されたように、次世代の主要な資源争いにおいて、日本市場で一歩抜きんでた存在になったことは間違いない。

 利用者にはより個人に合った利便性の高いサービスが提供されるようになるだろうと歓迎されそうな半面、競合企業にとっては脅威でしかない。2019年11月13日夜に統合が報道され、翌14日に楽天の株価が一時6%安、メルカリの株価も一時3%安と下がったことは記憶に新しい。

 だが、ほかにも強い危機感を持つ業種がある。銀行などの金融機関だ。ZHDとLINEは統合効果にFinTech事業のシナジーも掲げているからだ。

ZホールディングスとLINEの統合で、決済市場の巨人が誕生する
(出所:123RF)
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 特に危機感が顕著なのが地方銀行だ。ある大手地銀幹部は「我々地銀にとって最もまずい組み合わせかもしれない」とつぶやく。

ボロボロ、虫食いの銀行口座

 一見縁遠く見える統合両社と地銀だがここに来てつながってきた。キーワードは「QR決済」だ。

 「最もまずい組み合わせ」と幹部がこぼした地銀は最近、「PayPay」に3000円チャージしたり「LINE Pay」に2000円チャージしたりなど、銀行口座からQRコード決済サービスへの少額送金が目立つようになっている。クレジットカードなどと同じで、個人顧客が「Pay」の先で何にいついくら使ったかはつかめない。

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