ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)とLINEは2019年11月18日、経営統合で基本合意したと発表した。12月をめどに法的拘束力がある形で最終合意し、2020年10月の統合完了を目指す。売上高は単純合算で1兆2000億円規模に達し、楽天を抜いて主要なインターネット企業で国内首位に躍り出る。ただし、対等の精神を重視したスキームが「落とし穴」になる可能性もある。

 ZHDの4割超の株式を持つソフトバンクとLINEの親会社である韓国ネイバー(NAVER)がそれぞれ50%ずつを出資する共同出資会社を設け、その傘下にZHD(統合会社)をぶら下げる。ヤフーやLINEの承継会社はZHDの子会社として、事業を展開する予定だ。

 統合会社の社長にはZHDの川辺健太郎社長が就く。Co-CEO(共同最高経営責任者)に川辺氏と、LINEの出沢剛社長がそれぞれ就任する。取締役にZHDの小沢隆生取締役専務執行役員、LINEの慎ジュンホ代表取締役らが就く。取締役はZHD側が3人、LINE側が3人、社外取締役が4人の計10人体制となる。

 両社の経営統合により、国内屈指のインターネット企業が誕生する。ZHDにおける各種サービスの月間の平均利用者数は7000万人に迫る。一方、LINEの国内における月間アクティブ利用者数は8000万人を超える。両社を合わせると、国内だけでも1億人規模の顧客基盤を抱えることになる。

 統合会社は主要なサービスの企画・開発や廃止などを決める「プロダクト委員会」を取締役会の傘下に設ける。委員はヤフーとLINEの出身者からそれぞれ同数を選ぶ。委員会の責任者であるCPO(最高プロダクト責任者)にLINEの慎氏が就く。スマートフォン決済など重複するサービスの整理・統合は同委員会で議論するとみられる。

 ZHDとLINEは経営統合を通じて「世界をリードするAI(人工知能)テックカンパニー」を目指すという。統合会社はAIなどの領域にキャッシュベースで年間1000億円規模を投じる計画だ。

 両社は経営統合で「GAFA」など海外の巨人と伍(ご)していくための足掛かりを得るが、統合によるシナジーは不透明な部分もある。共同出資会社の出資比率はソフトバンクとネイバーがそれぞれ5割ずつ、統合会社の取締役会やプロダクト委員会などの構成もヤフーとLINEの出身者が同数を占め、意思決定のスピードが鈍る恐れもある。

■変更履歴
第2段落と第7段落のスキームの説明に関して誤解を招く記述があったので一部変更しました。本文に反映済みです。[2019/11/18 14:30]

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