日経アーキテクチュアが設計事務所の主宰者を対象に実施した独自調査では、主宰者の年間給与額なども聞いた。日経アーキテクチュアによる2018年の労働実態調査では、設計事務所に勤務する一級建築士の平均年収は622万円だった。その額を大きく下回った。

 様々な経営課題を抱えながら、悪戦苦闘する設計事務所主宰者。その見返りとしての報酬はどうか。賞与や残業代、各種手当てなどを含めた2018年の税込みの給与額を聞いた。回答者の平均年齢は55.1歳だ。

 全体平均は545.8万円で、事務所規模ごとの平均は、規模が大きいほど高い。1人事務所の主宰者の平均が449万円だったのに対して、10人以上の事務所主宰者の平均は868万円で、400万円強の格差が見られる。

Q.事務所主宰者の年間給与額と年齢の相関関係は?
事務所規模と年齢別に主宰者の年間給与額(賞与や残業代、各種手当てなどを含めた2018年の税込み額)をプロットした。図中の近似直線を見ると、4~9人の事務所と1人事務所の主宰者年間給与は年齢が高いほど低い。少人数でも2~3人の事務所は年齢が違っても年間給与は変わらない(資料:日経アーキテクチュア)
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 日経アーキテクチュアが18年春に実施した労働実態調査では、設計事務所と建設会社に勤務する一級建築士の平均年収はそれぞれ622万円、757万円だった。今回調査では主宰者の年間給与の全体平均は、こうした「勤務建築士」よりも低い。やりがいと収入の多寡は必ずしも一致するものではないが、満足する額とはいえないだろう。

 さらに、事務所規模と年齢別に主宰者の年間給与額をプロットし、近似直線でつなぐと、10人以上の事務所主宰者は年齢が高ければ給与額も高い。一方、1人事務所に加え、4~9人の事務所主宰者も年齢が高いほど給与額が低かった。年齢が違っても給与額が変らないのは、2~3人の事務所主宰者だった。

 1人事務所の場合は、主宰者自身の“やる気”にかかっており、高年齢になると受注を控えることは考えられる。また、1人事務所の作業量には限界があり、2~3人の方が効率や機動力は上がる。一定の給与額を保ちながら、長く現役を続けるには、1人よりも2~3人の方が適しているといえるのかもしれない。

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