「申請や監理などの手間が増えるばかりで、人手が足りない」「若手所員が採用できない、定着しない」「設計料の未回収を巡る訴訟を抱えている」「後継者がいない」――設計事務所主宰者の悩みは尽きない。日経アーキテクチュアの独自調査で浮き彫りになった「事務所主宰者のリアル」を7回に分けて紹介する。

 初回は、事務所主宰者が抱える先行きへの不安について。国を挙げた働き方改革が叫ばれるなか、住宅の建て主の要求は高まっており、設計の手間は増える一方だ。受注が好調な建設会社や大手設計事務所に対して、小規模な設計事務所の受注は伸び悩んでおり、生き残りをかけた競争は激しさを増している。

 日経アーキテクチュアの独自調査で、事務所運営に不安を感じている主宰者は8割強に上ることが分かった。

Q.事務所運営に不安を感じる?
直近の2~3年間で事務所の運営について不安を感じることがあるかを聞いた。「感じる」「どちらかといえば感じる」と回答した主宰者は8割を超えた(資料:日経アーキテクチュア)
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 不安の要因としては、「受注の先行き」や「受注数・売り上げの減少」が上位に入り、近年の建設ラッシュとは無縁の状況が明らかになった。自由回答では、「申請作業が多岐にわたり、本来の創作作業に充てられる時間が減った」「受注や売り上げ確保のために対策をとろうにも、その時間の確保がままならない」といった声が寄せられた。主宰者自身が実務に追われているのが実態だ。

 新規顧客の獲得や安定的な受注の確保のために実施している対策として回答が集中したのが、人脈づくりや営業力の強化だ。エンドユーザーだけでなく、工務店や建設会社、不動産会社など、広範囲に向けて情報を発信するなど、事務所主宰者の試行錯誤が見て取れる。具体的には、自社のウェブサイトの充実や地域のイベントへの参加、メールマガジンの配信やSNS(交流サイト)の活用などが挙がった。

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