ペーパーレス化を進めて事務の効率化を図っていても、年80万枚以上もの紙文書を扱う処理は残っている。こうした状況を太陽生命保険はRPAとOCRを組み合わせることで解決し、大幅な自動化に成功した。

 保険にまつわる業務のスピードを高めたり、手入力によるミスをなくしたりすることを目指してペーパーレス化を進めてきた。より一層の自動化を狙ってRPAを活用しよう――。こんな狙いを持って2015年から始めた業務改革プロジェクトで、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)活用を進めてきたのが、太陽生命保険だ。必要な保険を複数選んで組み合わせたり見直したりできる「保険組曲Best」などを手掛けている。

 太陽生命は2010年ごろから、営業職員が専用の携帯端末を使って訪問先で保険の申し込み手続きができるようにするなど、ペーパーレス化を進めてきた。2015年からはペーパーレス化の対象を本社で行う業務に拡大。確認用の書類や伝票など本社で扱う紙文書の電子化を進めて、電子文書専用のサーバーで管理するようにした。サーバーのログ情報を基に閲覧されていない電子文書を探して、不要なものを省くこともしてきた。

年80万件の紙文書の処理効率化でまずRPAを適用

 RPAの活用は本社でのペーパーレス化と並行して進めてきた。RPAを最初に適用したのが、税務署や地方自治体から「住民が保険に加入しているかどうか」といった問い合わせに答える業務だ。本社で年約70万件、支社で年約11万件、それぞれ紙文書で受け付けていた。

 課題は支社でこうした問い合わせを受け付けていたことだった。「支社は各地における当社の窓口ではあるものの、営業活動の拠点でもある。事務が伴う問い合わせ応対の業務を支社の担当者に任せていては、営業活動に支障をきたしてしまう」と太陽生命保険の池田睦IT企画部部長は当時の課題を振り返る。

 そこで支社で受け付けた問い合わせの紙文書は本社に回送してもらうことにした。支社から受け取った紙文書と本社が直接受け取った紙文書、合わせて約81万件を本社で処理するPC作業をRPAなどを使って自動化することにした。

 自動化の特徴はRPAに加えて、紙文書の内容を読み取ってテキストデータにするOCR(光学的文字認識)を採用したことだ。当初は契約管理システムで加入状況を確認して回答文書を作成するPC作業にRPAを適用したが、「加入状況の確認するためのデータ作成に時間がかかる」といった課題が見えてきたことから、OCRを導入した。

 具体的には問い合わせに関する文書の内容をOCRで読み取って、Excelファイルにまとめる。そのExcelファイルの内容を基に、RPAテクノロジーズのRPAツール「BizRobo!」で開発したソフトウエアのロボット(ソフトロボ)が契約管理システムなどを使って保険の加入状況を確認。確認結果を基に回答文書を作成している。

太陽生命保険がRPAとOCRを組み合わせて自動化した業務の概要
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