2つのアプローチと3つの面で現場支援――。みずほ銀行はこうした工夫を凝らして2年近くRPAの社内普及を進めたところ、年77万時間のPC作業を自動化できた。

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は様々なアプリケーションやシステムを使ったPC作業を自動化できる良さがある。その良さを社内で広く生かそう――。こうした狙いで2016年度からRPAの導入に取り組み、社内普及を進めた結果、年77万時間のPC作業を自動化する成果を得ているのがみずほ銀行だ。

 社内に広く展開を始めたのは2017年4月からだ。「デジタライゼーションの波が来ているなか、デジタル技術を駆使して社内の業務を効率化できないか検討していた」とみずほ銀行でRPAの普及を手掛ける八木沼克実企画管理部オペレーショナルエクセレンス推進室室長は振り返る。

 具体的には、紙文書などを扱う業務の電子化、手順が決まったPC作業の自動化、判断が伴う業務の自動化という3つにデジタル技術を適用することを検討。このうち手順が決まったPC作業を自動化する手段としてRPAを採用した。

業務の種類に応じて2つのアプローチでRPAを適用

 みずほ銀行は大きく2つのアプローチでRPAを導入している。1つは事務センターで行う「扱うデータは多く種類が少ない」業務の自動化だ。2016年度から試行を始めて2017年4月から本格的に取り組む。自動化するPC作業で間違いが起きないようにする必要があるため、開発作業はみずほフィナンシャルグループのシステム会社、みずほ情報総研やITベンダーのITエンジニアに依頼している。米ペガシステムズや米ユーアイパスのRPAツールを採用し、年数十万時間のPC作業を自動化する成果を得ている。

みずほ銀行が採る2つのRPA導入アプローチ
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 もう1つのアプローチは、銀行本部で行う「扱うデータは少なく種類が多い」業務が対象だ。2017年11月から試行を始めて、2018年4月から本格展開に移った。コストを抑えて効率よく開発することが求められるため、現場の社員が開発を担う内製化策を採っている。

銀行本部で行う内製化アプローチで3つの面で支援策

 内製化で特に力を入れているのは、現場の社員に向けた開発支援策だ。「ハード面、ソフト面、枠組み面の3つをそれぞれしっかりと取り組まなければ、RPAは社内に普及しない。そう考えて様々な策を講じてきた」と八木沼室長は話す。

 ハード面は、それまでシステム開発の経験がない社員でもソフトウエアロボット(ソフトロボ)作りに取り組めるようなRPAツールの選定や、ソフトロボを開発するためのPCなどの環境整備などを指す。社員が開発する際に使うRPAツールは、開発環境が日本語だったりサポートサービスが日本語で受けられたりするといった理由からNTTデータのWinActorにしている。

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