2019年1~9月期決算で赤字転落を発表し、業績不振や経営トップの交代に揺れる米テラデータ(Teradata)。同社が現在全精力を注いでいるのが分析サービスのサブスクリプション型への移行だ。2019年10月20~24日に米国デンバーで開催した年次イベント「Teradata Universe 2019」ではその戦略の下、新たなサービスやクラウド関連の提携を発表した。サブスクリプションを前提としたビジネスモデルにユーザーを定着させ、業績を安定させる狙いだ。

 Teradata Universe 2019で発表した戦略は大きく3つある。1つは主力の分析プラットフォーム「Teradata Vantage(以下、Vantage)」が稼働するクラウドサービスを全方位に増やすこと。2つ目はVantageの料金体系の多様化。3つ目がVantageの分析機能の強化である。順に見ていこう。

 Vantageが稼働するクラウドサービスの拡大では、米グーグル(Google)との提携を発表した。Vantageを2020年の前半にも「Google Cloud Platform(GCP)」の上で稼働できるようにする。これまでは米アマゾン(Amazon.com)の「Amazon Web Services(AWS)」、米マイクロソフト(Microsoft)の「Microsoft Azure」に対応していた。テラデータのCRO(チーフ・レベニュー・オフィサー)のスコット・ブラウン氏は「すでに多くのユーザーがVantageをクラウド上で利用しているが、パートナーシップによってさらにユーザーの選択肢を増やす」と言う。

AWSとMicrosoft Azureに続き、Google Cloud Platform(GCP)上でもVantageが稼働する
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 グーグルクラウドのソリューションエンジニアリング担当副社長ハミドゥ・ディア氏は「GCPを使えば、それぞれの地域のデータ規制やセキュリティーへの対応が可能になる」と説明。グーグルのストレージサービスや機械学習フレームワーク「TensorFlow」との連携をAWSやAzureに対する強みとして強調した。

 Vantageでの分析対象データの格納先となる対応ストレージサービスも増やす。具体的には2020年第2四半期に、AWSのストレージサービスである「Amazon S3」やAzureの「Blob Storage」との接続を可能にするという。

分析サービスを使った分だけ支払う

 2つ目の料金体系の多様化で注目されるのは分析サービスの従量課金制「コンサンプション・プライシング(Consumption Pricing)」の導入である。テラデータ側がVantageの運用を担当するマネージドサービスにおいて、分析サービスを使った時間分だけ利用料金を支払えるようにする。サブスクリプション契約の透明性を上げて、ユーザーの契約継続率を向上させたい考えだ。

 テラデータのVice President of Technology EMEAのマーティン・ウィルコックス 氏は「あらかじめリソースやキャパシティーを確保する必要はなく、使った分だけ支払うことができる。どの部署が多く消費しているのかも分かるようにする。顧客にリスクを減らしてもらい、俊敏性を持ってもらいたい」と言う。

コンサンプション・プライシングの設定画面。クエリーの実行回数を部署や月ごとに確認し、Vantageの実行数を増減する
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 コンサンプション・プライシングは2020年の第1四半期に提供を始める。料金体系は発表されていないが、Vantageの利用時間に応じてミリ秒単位での課金となる。大量の分析クエリーが発行されるような実運用でなく、テストでの利用が多い場合に向くという。

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