「思っていたイメージと違う」「仕上がりに不満」「手を抜いているんじゃないか?」。住宅のリフォームで生じる顧客からのクレームは、請け負った住宅会社の担当者など、プロ側のコミュニケーション不足に端を発しているケースが少なくない。深刻なトラブルに発展することもある。こうしたトラブル例をいくつかの類型に分けて紹介し、対策を考えてみる(2019年11月15日から記事を順次公開予定)。

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「思っていたイメージと違う」「仕上がりに不満」「手を抜いているんじゃないか?」。住宅のリフォームで生じる顧客からのクレームは、請け負った住宅会社の担当者など、プロ側のコミュニケーション不足に端を発しているケースが少なくない。深刻なトラブルに発展することもある。こうしたトラブル例をいくつかの類型に分けて紹介し、対策を考えてみる(2019年11月15日から記事を順次公開予定)。
「住宅相談統計年報」に見るリフォームトラブルの実相
新築やリフォームの際に生じる住宅のプロと顧客のトラブル――。住まいにまつわる紛争処理支援などを手掛ける住宅リフォーム・紛争処理支援センターは毎年、相談が寄せられた紛争案件をベースに「住宅相談統計年報」(以下、年報)を公表している。2019年8月に公表した最新版の18年度データから、リフォームトラブ…
大規模リフォームならではのクレームと対策
木造戸建て住宅のスケルトンリフォームのように、大規模な改修案件では、コストや工期のボリュームがそれなりに膨らむ。顧客の熱意や期待も、部分的な小規模リフォームに比べて高まるものだ。それだけに、リフォームを手掛けるプロへの視線はより厳しくなる。こうした状況で生じる顧客クレームは、総じて深刻なトラブルに…
「確認不足」によるクレーム例と対策
住宅リフォームでは、既存の部材などを撤去したり刷新したりするだけでなく、顧客の要望やプロとしての判断に基づいて、あえて残す場合もある。「捨てる」か「残す」かのいずれを選ぶか、後のトラブルを防ぐために、あらかじめ顧客と入念に打ち合わせて確認を得ておくべき重要ポイントの1つだ。
「提案不足」によるクレーム例と対策
「価格が高いよりは、安いほうがいい」「予算を超過するより、予算内でできるほうがいい」。住宅リフォームのコストについて、ほとんどの顧客はこのように思っているだろう。しかし一方で顧客は、プロならでは提案を求めている。そこを忘れてしまうと、顧客に満足感を与えることはできない。
「説明不足」によるクレーム例と対策
「やってみなくちゃ、分からない」。どのような仕事でも、プロとしては顧客に伝えづらい言葉だ。住宅リフォームでは、既存建築の状態を正確に把握できない段階で、不具合の対処を含めた提案や一定の費用目安を顧客に示す必要が生じる。しかし工事の着手後に、既存建築が想像以上に傷んでいることが分かり、対策などのため…
「聞き取り不足」によるクレーム例と対策
顧客の真意を正確につかめていなかった――。住宅のリフォームで、顧客のほとんどは家づくりのプロではない。「どこをどう変えたいか」「新しく何を取り入れたいか」といった様々な要望が先に立ち、リフォームを決意するに至ったきっかけや原因に関する説明は、後回しになりがちだ。リフォームの本質的な目的をきちんと把…