「しまった、土砂崩れで高速道路が壊れた・・・」「堤防で対策したから洪水が来ても平気だ!」

 インフラ構造物を自然災害からいかに守り抜くかを競う対戦型カードゲーム「ポケドボ」の一幕だ。開発したパシフィックコンサルタンツ交通政策部の光安皓氏は、「一般の人が土木や防災に興味を持つきっかけを作りたかった」と語る。狙いは的中し、ポケドボはいまや親子が参加する地域のイベントで大人気だ。

ポケドボで相手の出方を見極めるパシフィックコンサルタンツの光安皓氏。機械工学の学士号を取得後、東京大学大学院で環境学を修了して2011年度に同社へ入社。ビッグデータを用いた交通解析業務などを経て、自動車の自動運転技術を地方に導入する仕組みづくりに携わる。技術士(建設部門)。クラシックカーをはじめとする自動車全般が趣味で、自動車文化検定2級の資格も持つ(写真:日経コンストラクション)
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 光安氏は2017年、土木の魅力PRなどの目的で土木学会が立ち上げた「若手パワーアップ小委員会」内のグループのリーダーとしてポケドボを作り上げた。企画の立案から製品化まで、わずか1年。カードゲーム版の発売後はスマートフォンで遊べるアプリ版を公開するなど、次々と開発を進めている。

 企画に当たって、イベントの場で子どもの興味を引くことを重視した。子どもを呼び込めば、一緒に親も集まり、人の輪ができるからだ。そこで、持ち運びやすいカードゲームを思い付く。「『ゲームあるよ!』と声をかければ、子どもは必ずやってくる」と、光安氏は笑う。

 人さえ集まれば、後は光安氏の思うがままだ。ゲームをしながら知らず知らずに、インフラの重要性や災害対策について知識が付く。

 ここで、ポケドボの基本ルールを説明しよう。2~4人のプレーヤーがまず高速道路や鉄道など5種類の「インフラカード」を手元に並べる。次に、山札から1枚ずつカードを取る。土砂崩れなど「災害カード」を引くと、インフラカードを1枚失う。「事前対策カード」を引けば、好きなインフラカードを1回だけ災害カードから守れる。山札がなくなった時点でインフラカードを最も多く持つプレーヤーが勝ちだ。小学生以下の子どもでも理解できる。

ポケドボは2018年から土木学会で購入可能に。スマートフォン向けのアプリ版や英語版も作成した。カードには親しみやすいイラストを描いた(資料:土木学会)
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