DXの推進に向けてレガシーシステムのモダナイゼーションは待ったなし。CASEツールやミドルウエアが作り出したブラックボックスの解消法を探った。

 「普段なら我々に声をかけない、情報システム子会社を持っている企業からもシステムモダナイゼーションの相談を受ける」。NTTデータの岸竜宏システム技術本部 デジタルテクノロジ推進室課長は、昨今のレガシーシステムのモダナイズの盛り上がりをこう話す。

 企業をモダナイズに駆り立てるのが、2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」だ。

 DXレポートの影響についてシステムズの栗尾重光事業推進室長は「もともと脱レガシーの流れはあったが費用対効果で頓挫するケースが多かった。DXレポートは、COBOLに代表されるレガシーが分かる人材がいなくなるリスクや、属人化した業務の継続性の危機感を経営層に訴えた」と分析する。

 「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システム」を抱えたまま、「2025年の崖」に落ちたくない。そう考える企業が、DXの実現を目指し、レガシーシステムのモダナイズに本腰を入れ始めたわけだ。

技術的負債が脱レガシーを阻む

 レガシーシステムの資産を活用しながら、最新の技術や製品で再構築するモダナイズ。リビルドやリライトなど手法は確立されているが、それでもレガシーからの脱却はそう甘くない。最大の障壁は、メインフレームやオフコンに埋め込まれた「技術的負債」の存在だ。

 DXレポートでは「レガシーシステムの中には、短期的な観点でシステムを開発し、結果として、長期的に運用費や保守費が高騰している状態のものも多い」と指摘。これを負債と捉えたのが技術的負債である。

 技術的負債を生み出す要因は様々ある。代表的なのが、コードを自動生成する「CASE(Computer Aided Software Engineering)ツール」、トランザクション処理モニター(TPモニター)などの「ベンダー製ミドルウエア」、リレーショナルモデルではない「ネットワーク型データベース」などである。

ブラックボックス化したレガシーを解体しDXへ
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 もちろん、こうした製品、技術の採用は開発当時は正解だった。「大規模開発でブレないようTPモニターのトランザクションモデルに沿って作ったし、CASEにより開発生産性を引き上げた」(日立製作所の元山厚アプリケーションサービス事業部サービスソリューション本部長)。

 しかし稼働開始から数十年がたつような場合、技術的負債の要因でシステムがブラックボックス化し、アプリを拡張しづらい、データを抽出しづらいなど、DX実現の弊害になっている。どうすれば技術的負債は解消できるのか。代表的な要因で見ていこう。

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