PCのグラフィックスは動画観賞、ゲーム、VR(仮想現実)/MR(複合現実)、クリエーティブなどの体験を大きく左右する。今後さらに重要度が高まってゆく機能だと言える。現在から2020年にかけての状況を見ていこう。

内蔵グラフィックスの強化を進めるインテル

 PC画面の描画処理はGPU(Graphics Processing Unit)が受け持っている。最近のCPUの大半には、GPU機能が統合されている。このGPU機能は「iGPU(Integrated GPU)」「内蔵GPU」などと呼ばれる。

 米インテル(Intel)の内蔵GPUには、「UHD Graphics(旧HD Graphics)」と、その強化版の「Iris Plus Graphics(Iris、Iris Proなどを含む)」の2系統が存在する。Iris系の内蔵GPUは、グラフィックス処理の実行エンジンである「EU」を増やして処理性能を向上させている。

 第9世代Coreプロセッサーまでの内蔵GPUの描画性能は、ゲームで言えば「ブラウザーベースのゲームならプレーできる」「描画負荷の軽いMMO(Massively Multiplayer Online) RPGなどは低画質でプレーできる」という程度だ。

 近年のGPUは、主に動画関連の処理に進化が見られる。動画の再生とエンコーディングのスムーズな実行を重視して、4K解像度やHDR(High Dynamic Range)、HEVC(H.265)コーデックといった動画関連の技術に対応してきた。

 しかし第10世代Coreプロセッサー(開発コードネームIce Lake)では、GPUコアのマイクロアーキテクチャーを一新するとともに、多くのラインアップで64EUや48EUのIris Plus Graphicsを搭載し描画性能を大きく改善した。インテルは「フルHD解像度(1080p)の本格3Dゲームも30フレーム/秒以上でプレーできる」などとアピールしている。

 またIris Plus Graphicsは、インテルの内蔵GPUとして初めて「Adaptive Sync」に対応。リフレッシュレートに同期して画面を更新することで描画のずれやちらつきを大幅に低減している。他にもハードウエアエンコーダー/デコーダーをデュアルで搭載、HDMI 2.0bやDisplayPort 1.4aによる出力への対応など、全面的に強化されている。

米インテルの主要な内蔵GPU仕様の比較。Ice Lakeベースの第10世代Coreプロセッサーで大幅に強化されている
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インテルが日本で開催した記者説明会で見せたIris Plus GraphicsとUHD Graphics 620のゲーミング性能を比較したスライド。「レインボーシックス シージ」や「フォートナイト」などのゲーム画面を見せて、「フルHD解像度(1080p)で本格的な3Dゲームが30フレーム/秒以上でプレーできる」とアピールした
(撮影:鈴木雅暢)
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