CIMが原則となり、3次元データの活用が当たり前になる──。CIM時代の到来に先駆け、各社は3次元のメリットを引き出す様々な取り組みを展開する。CIMを使いこなす人材の育成も欠かせない。先行する建設コンサルタント会社の取り組みを紹介する。

埋設物の3次元位置情報で新事業
応用地質

 「全国の道路で、埋設管の正確な位置を示すデータベースをつくる」。そう話すのは、応用地質の天野洋文常務執行役員だ。

 応用地質は、地中レーダーをはじめとする3次元探査技術を用いて埋設管などの位置を調べ、高精度の3次元マップを提供する事業に乗り出す。2021年から需要の大きい3大都市圏でサービスを開始。25年までに全国の道路を網羅する方針だ。

 地質調査会社は通常、自治体などから委託を受けて路面下を調査するが、応用地質は自ら先行投資をしてデータベースを構築するビジネスモデルに挑戦する。応用地質によると、全国規模で埋設管をデータベース化するのは同社が初めてだ。道路管理者のほか、電力やガスといった道路を占用する会社などに提供する。

 占用者が持つ管路の位置情報は設計書に基づくので、実際の埋設位置と異なることが多い。そのため、道路工事などの際は数カ所で試掘をして埋設物の位置を確認するのが一般的だ。それでも、思わぬ埋設物の出現で工事が止まる場合がある。

高精度のレーダー探査装置を開発

 「当社の3次元マップを使えば工事前の試掘などの費用を大幅に削減できる」と天野常務は語る。料金は、このサービスで削減できる費用の3~5割程度に設定するという。

 まずは、路面から深さ2mにある埋設物を誤差10cm以内で検知できるレーダー探査装置を開発する考えだ。レーダーの画像に基づく「空洞」「埋設物」「非空洞」の判定にはAI(人工知能)を用いる(図1、写真1)。

図1■ レーダーで効率的に位置情報を収集
埋設物の位置情報提供までの流れ。応用地質の資料を基に日経コンストラクションが作成
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写真1■ 地中レーダー探査装置を搭載した車。全国の道路を走らせてデータを集める(写真:応用地質)
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 空洞や埋設物の位置情報だけを示す簡易な3次元マップの提供から始める。道路工事の前に埋設物の位置が正確に分かるだけでも現場の作業効率は高まる。

 その後、埋設物の用途や材質など、より多くの情報を集めて詳細な3次元マップを作成する。インフラ管理台帳のデジタル化を促せば、アセットマネジメントに役立てられる。

 今後、地表から深さ10mまでの表層地盤でも3次元データベースを作成する計画だ。埋設物情報と地盤情報を連携させて、埋設管に影響を及ぼす液状化リスクなどの情報も提供できるようにする。

 「CIMを用いて調査から設計、施工、維持管理まで一気通貫していくのに、間に試掘などのアナログな作業が挟まっては意味がない。精度の高い基盤情報のデータベースが不可欠だ」と天野常務は強調する。

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