一部が黒塗りされた公開文書を見たことはないだろうか。ところが、Microsoft Office(以下、Office)で文書を作成して黒塗りにしたにもかかわらず、隠したはずの情報が外部に漏洩することがある。これはOffice文書に対する理解の欠如が大きな要因の1つになっている。

 今回も架空の中堅商社に勤務するヨコノさんとキムラ君の会話を見てもらいたい。

ヨコノ:キムラ君。ちょっとこのPDFを見てみて。

キムラ:黒塗りだ。何か見られたくない情報が書いてあるんですね。

ヨコノ:でも、こうして塗ってあると、かえって見たくなるのが人情だと思わない?

キムラ:思います。

ヨコノ:じゃあ、この箇所を選択、コピーして、メモ帳を開いてペースト。ほら、黒塗りしてあったところの文字が出てきた。

キムラ:あらま、本当だ。ヨコノ先輩、これは一体どういうことなんですか。

ヨコノ:ふふふ。簡単なからくりよ。そのからくりとは……。

「蛍光ペン」での黒塗りは厳禁

 Wordで作った文書の一部を黒塗りにして、それをPDF文書としてエクスポートした後、外部に公開するケースを考えてみてほしい。

 このときやってはいけないのは、Wordが持つ「蛍光ペン」機能で文字を黒く塗り潰し、その文書をPDFとして保存することだ。なぜそれが禁じ手なのか。

 蛍光ペン機能は、Wordで作った文書の一部を目立たせたいときに利用する。使い方はとても簡単で、目立たせたいテキストを選択して「ホーム」タブの「蛍光ペンの色」から好みの色を選択すればよい。この「蛍光ペンの色」の中に「黒」がある。これを利用すれば文字を黒く塗り潰せる。

テキストを選択して、「ホーム」タブの「蛍光ペンの色」から「黒」を選ぶ。黒塗りになって文字は見えなくなった
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 次にこのファイルをPDFにする。「ファイル」タブから「Adobe PDFとして保存」を選ぶか、「名前を付けて保存」を選んでファイル形式をPDFにするとPDF文書として保存される。このPDF文書をAdobe Acrobat Pro DCなどのPDFソフトで開いてみよう。蛍光ペンで黒塗りした箇所の文字は確かに見えなくなっているはずだ。

 ただし、この状態だと文字は見えないが取り出すことはできる。黒塗りの周辺箇所を選択、コピーしてみよう。次にWordで新規文書を作成し、右クリックしてメニューから「テキストのみ保持」を選ぶ。そうすると黒塗りで見えなかった文字が、あっさりとペーストされる。

Adobe Acrobat Pro DCでPDFを開き、黒塗り箇所を含む周囲を選択してコピーする
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Wordで新規文書を作成し、右クリックして「テキストのみ保持」を選ぶ。書式は無視されるので、黒塗りになっていた文字をペーストできる
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