2019年5月に米国で5Gの商用サービスを始めた米スプリント(Sprint)が、開始当初は5都市1150万人としていたカバーエリアを、10月現在で9都市1600万人にまで広げたことが分かった。スプリントの5G戦略およびグローバルサービス担当バイスプレジデントのブライアン・フライズ氏は2019年10月22日(現地時間)、「5Gサービスは利用者に好評。その証拠に利用時間はLTE契約者の3倍となり、データ量も3~5倍に増えている」とMWC19 Los Angelesで手応えを語った。

米スプリントの5Gサービスの展開状況
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5Gの利用動向
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 前の世代の4G(LTE)普及の過程では高機能なモバイル端末が登場し、利用者が増えた。それがコンテンツやさらに高機能な端末の呼び水となり、また利用者が増えるというエコシステムが機能した。これは5Gでも変わらないが、普及のスピードを上げるには「さらなるきっかけが必要」(フライズ氏)とした。同社がその筆頭に据えているのが、2019年8月に提供を始めた「ハッチ(Hatch)」というゲームサービスだ。

 Hatchはアプリのダウンロードや更新がないストリーミング型のゲーム。フィンランドのベンチャー企業「ハッチエンターテインメント(Hatch Entertainment)」が提供している。日本ではNTTドコモが同社と提携済みだ。

 Hatchは利用者が都度、好きなゲームを選んで遊べる仕組みで高速大容量の5Gには打ってつけと言えるが、理由はそれだけではない。低遅延の特長を生かして、友人とオンラインでつながりながら「Beach Buggy Racing」のようなリアルタイム性の高いゲームで遊んだり、チャットしながらプレーしたりできる。これにより、利用時間や利用者のさらなる増加を見込めるという。

米スプリントが実施したeスポーツイベントの様子
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 「先日、ロサンゼルスで5Gを使ったeスポーツのイベントを初めて実施したが、200人を超える参加者で大いに盛り上がった」(フライズ氏)。同社によると、米国の半分以上の人が月1回はゲームを楽しんでいるとのデータがあり、「ゲームの盛り上がりが5Gに強い関心を持ってもらうきっかけとなる」(同)とした。