トヨタ自動車が2019年10月16日に世界初公開した小型車の新型「ヤリス」は、引っ張り強さが2.0GPa級の高張力鋼板の熱間プレス材(ホットスタンプ)をボディー骨格に適用した。ボディー骨格の質量増加を抑えながら、衝突安全に対応するのが狙いである(図1)。

図1 新型「ヤリス」のボディー骨格
(撮影:日経Automotive)
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 トヨタは2018年から2019年にかけて順次発売した新型「カローラ」3車種(セダンの「カローラ」、ハッチバック車の「同スポーツ」、ワゴンの「同ツーリング」)のボディー骨格に、2.0GPa級のホットスタンプを適用している。

 ただ、カローラの3車種は、同社の車両設計・開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づくCセグメント向けプラットフォーム「GA-C」を適用した車両である。車両寸法は従来車より大きく、中型車に相当する。

 これに対して今回の新型車は、TNGAに基づくBセグメント向けプラットフォーム「GA-B」を適用した車両であり、小型車に属する。小型車のボディー骨格に2.0GPa級のホットスタンプを使うのは、日本の自動車メーカーでは今回の新型車が初めてである。

 側面衝突時に乗員室を変形させないために、新型車のセンターピラーに2.0GPa級のホットスタンプを使用した。「車両寸法が小さい小型車であっても、中大型車と同等の衝突安全性を備える必要がある」(同社)との判断から、2.0GPa級のホットスタンプの採用を決めた。

 側面衝突に対応するため、フロントピラーにもホットスタンプを使った。ただ、その強度は1.5GPa級である。ホットスタンプは、冷間プレス材より生産コストが高い課題がある。コストの増加をできるだけ抑えるため、最も高強度の鋼板が必要なセンターピラーだけ2.0GPa級とした(図2)。

図2 ホットスタンプを適用した部位
(撮影:日経Automotive)
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