台風19号で水位が上昇した河川では、橋の被害も相次いだ。とりわけ目を引くのが、橋台背面にある堤防などの盛り土が流失したことによる落橋や損傷だ。

 長野県上田市では、千曲(ちくま)川に架かる上田電鉄別所線の5連の鋼トラス橋で左岸側にある橋台が倒壊し、端径間の約40mが河道に突っ伏すようにして落橋した。橋台は堤体に埋め込まれ、2m程度が堤防上部の法面から川表側に突出していた。千曲川の増水で周辺の堤体が長さ150m以上にわたって浸食され、支えを失った橋台が流された。

千曲川に落ちた上田電鉄別所線のトラス橋。上田市の市街地と温泉地をつないでいた。1920年前後に造られたとみられる(写真:大村 拓也)
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 橋台背面の盛り土流出による落橋は近年、中小河川で毎年のように発生している。しかし、千曲川のような大河川で起きるのは珍しい。「橋の洪水対策のあり方を見直す段階に来ているのではないか」。橋梁の洪水被害の調査を続けてきた立命館大学理工学部環境都市工学科の伊津野和行教授は、こう指摘する。橋の設計において、河川は計画高水位よりも下を流れるのが前提とされ、それを超えるような洪水の対策はほとんど考えられていないのが現状だ。

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