「過去数十年で直轄の堤防がここまで多く決壊したことはないのではないか」。国土交通省水管理・国土保全局治水課の畑山作栄課長補佐は、台風19号の被害についてこう話す。

 国交省によると、2019年10月25日時点で確認された堤防の決壊は、関東・東北の7県で計71河川140カ所。そのうち国の管理区間の決壊は7河川12カ所に上る。

台風19号で決壊した国管理の堤防
(資料:国土交通省)
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 台風19号の被害の大きな特徴は、破堤や越水が相次ぎ、極めて広い範囲が浸水したことだ。18年7月の西日本豪雨で発生した堤防の決壊は、国管理河川で2カ所と都道府県管理河川で35カ所の計37カ所。今回はその4倍近くに上る。

 浸水面積も、約1万8500haだった西日本豪雨を上回り、現時点で約2万5000haが確認されている。河川の流域別では、福島県と宮城県を通る阿武隈川水系で最も被害が大きく、約1230haが浸水した。県が管理する河川では被害の調査が続いており、浸水面積はさらに拡大する見通しだ。

 堤防が決壊した直轄河川は、吉田川、阿武隈川、千曲川、久慈川、那珂川、越辺(おっぺ)川、都幾川だ。国交省は、この7河川について専門家などでつくる委員会を各地で計5つ設置し、決壊のメカニズムの解明や復旧方法の検討を進めている。10月18日までに委員会による目視を中心とした現地調査を終えた。

台風19号で決壊した堤防
2019年10月23日午前8時時点の被害状況。国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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