群馬県長野原町で10月1日から試験湛水(たんすい)を始めていた八ツ場(やんば)ダムの貯水率が、台風19号のもたらした大雨で一気に100%近くに到達。付け替え前のJR吾妻線の鉄橋などがダム湖の底に沈み、周辺の風景は大きく変わった。

台風19号が通過した後の10月13日午後2時に撮影した八ツ場ダム。利水放流管から泥混じりの水が噴き出し、土煙を上げる。堤体上空でのドローン飛行は許可が必要なため、許可が不要なダム下流の吾妻峡からドローンを離着陸させて撮影した(写真:大村 拓也)
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台風19号通過時のダム湖への流入量(赤線、右軸)と貯水位(青線、左軸)の変化(資料:国土交通省八ツ場ダム工事事務所)
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堤体上流の右岸展望台から、台風襲来前の10月5日に撮影。ダム湖の水位は標高約493m。洪水吐きの左側にある選択取水設備の根元に水面がわずかに見えていた(写真:大村 拓也)
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右岸展望台から10月10日に撮影。水位は標高約518m(写真:大村 拓也)
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右岸展望台から10月13日に撮影。水位は標高約578m(写真:大村 拓也)
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 国土交通省八ツ場ダム工事事務所によると、10月11日午前2時から13日午前5時にかけて、長野原観測所で累計347mmの降雨を観測。ダム湖への流入量は12日朝から増加し始め、同日午後8時ごろには毎秒2500m3の最大流入量を記録した。降雨を観測した11日午前2時から13日午前5時までに、約7500万m3の水をダム湖にため込んだ。

 この間、ダム湖の水位は標高518.8mから573.2mまで約54m上昇し、常時満水位の583mまであと高さ10mほどに迫った。

 ダムは利水放流管を使って毎秒約4m3ずつ下流に放流していたものの、常用洪水吐きと非常用洪水吐きのゲート操作は実施しなかった。流入量のほぼ100%がダム湖に貯留されたことになる。

 八ツ場ダム工事事務所によると、常時満水位まで水がたまった10月15日時点でダムの堤体やダム湖の周辺に異常は確認されていないという。今後は1日当たり1m以下のスピードで水位を下げながら、最低水位である標高536.3mまで水を抜き、ダム湖周辺の法面などに問題がないかどうかを確かめる。

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