2020年は日本で5G(第5世代移動通信システム)が本格的に始まる年となる。携帯大手は既にプレサービスを展開中で、2020年3月以降に順次、商用サービスを始める。

 実は携帯大手の5Gサービスより一足早い2019年12月に、「もう1つの5G」が登場する。その名は「ローカル5G」。一言で表すなら一般企業によるプライベートの5Gネットワークである。ローカル5Gが制度化され、一般企業でも自社だけの用途で5Gの電波を出せるようになるのだ。

 ローカル5Gは携帯大手の5Gサービスとは別の形で盛り上がりをみせている。メディアで取り上げられる機会が増え、知名度が徐々に上昇。さらに大手ITベンダーや携帯大手以外の通信事業者が次々と参入を表明している。

2019年末と2020年末の2回に分けて実用化

 ローカル5Gは2回に分けて制度化される予定となっている。

 最初は2019年12月で、周波数は28.2G~28.3GHzの100MHz幅が割り当てられる。2019年10月現在、総務省による省令改正案やガイドライン案ができあがっており、パブリックコメント(意見募集)を実施中。11月に電波監理審議会への諮問と答申があり、12月に制度化が完了して使用可能となる。

 2回目は2020年末で、割り当てる周波数は28.3G~29.1GHzの800MHz幅と4.6G~4.8GHzの200MHz幅となる見込み。総務省の有識者会議「ローカル5G検討作業班」での検討が2019年10月から再開。ここで使用条件などを議論していく。

 携帯大手に割り当てられた5Gサービス用の周波数は、3.7GHzと4.5GHz帯が合計200MHz幅(NTTドコモ、KDDI)または100MHz幅(ソフトバンク、楽天モバイル)。28GHz帯は各社400MHz幅だ。ローカル5Gへ最終的に割り当てる周波数幅は合計1.1GHz幅に及ぶので、かなり広い。

ローカル5Gおよび携帯大手の5Gサービスに割り当てられる周波数。それぞれの箱の中にある数字は周波数幅(MHz)
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安全性や柔軟性で企業ニーズに合致

 携帯大手の5Gサービスは、自らが全国で基地局免許を取得して電波を出し、企業を含む一般消費者向けに提供する。これに対してローカル5Gは、一般企業が基地局免許を取得し、自社だけに向けて電波を出す。主な用途としてIoT(インターネット・オブ・シングズ)が想定されている。

 携帯大手も5Gではこれまで以上に企業のIoT利用を重視する。このため、企業が携帯大手の5Gサービスを採用してIoTを導入するケースも多々出てくるはずだ。

 一方で企業には「公衆のネットワークを使わずに自営のネットワークを持つ」という考え方がある。背景には「セキュリティーのリスクを減らしたい」「常に一定の帯域を確保したい」「緊急時の通信手段を確保したい」「柔軟なネットワーク設計を可能にしたい」などのニーズがある。

 加えて、携帯大手の5Gサービスには提供エリアの問題がある。エリアはこれから広がり始めるため、当面はエリア外で利用できないケースが考えられる。

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