新規購入者が減り、買い替え需要が主体の成熟期を迎えたとされるスマートフォン。米アップル(Apple)の「iPhone」も“熱狂”の時期を過ぎたのだろうか。発売後の初の週末、某家電量販店では各通信キャリアの販売員たちが必死の呼び込みを続けており、即時入手可能な機種も少なくなかった。ただし翌週末は消費税増税前の駆け込み需要でiPhone売り場がごった返していたとの話も聞いた。今回、一番高額となる「iPhone 11 Pro Max」のストレージ512Gバイト品の価格は15万7800円(税別)。ある日を境に3156円値上がりすると言われれば、先に買っておこうと思うのも当然だろう。

 “価格に対して買い替えるほどではない”との評価も受ける2019年版のiPhoneだが、中身としてはどのような進化を遂げているのか。フラッグシップモデルの「Pro」を冠する「iPhone 11 Pro」(以下、11 Pro)と「iPhone 11 Pro Max」(以下、11 Pro Max)から分解していこう。今回、分解にはモノづくりのためのコワーキングスペース「DMM.make AKIBA」に協力してもらった。

今回は「iPhone 11 Pro」を中心に分解していく
(撮影:加藤 康)
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 最近は背面側から開ける形のスマートフォンも少なくないが、iPhoneは従来通りの形式のようだ。ライトニング用ジャック横の星形ネジをゆるめてからディスプレー面をヒートガンで温め、吸盤で引っ張って開ける。

まずは筐体側面のネジをゆるめる
写真は11 Pro(撮影:加藤 康)
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ディスプレーをヒートガンで温めて接着剤を溶かす
写真は11 Pro(撮影:加藤 康)
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最後は吸盤で引っ張り、すき間から薄いプラスチック片を挿し込んで開ける
写真は11 Pro(撮影:加藤 康)
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 11 Proの中身を見ると、基本的な構造は2018年発売の「iPhone XS」(以下、XS)によく似ているようだ。同様にL字形電池を採用している。メイン基板の形は変わった。幅が太く、短くなったようだ。

11 Proの基本構造は「iPhone XS」に似ているようだ
(撮影:加藤 康)
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 大画面タイプの「iPhone XS Max」(以下、XS Max)が2個の電池をL字形に配置していたのに対して、後継機のように見える11 Pro MaxはL字形電池となった。L字形電池もこれで定番化したのだろう。

11 Pro MaxもL字型電池を採用
(撮影:加藤 康)
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 メイン基板は、11 Pro Maxも11 Proも同じようだ。2018年発売のXSとXS Maxでは基板面積に差があり、XS Maxの方が大きかった(関連記事「“次への布石”か、11mm長いiPhone XS Maxの基板に『謎の空き地』」)。今回はメイン基板を同じにすることで低コスト化を図っているのかもしれない。

 一方、電池の大きさは異なっており、11 Pro Maxの方が大きい。アップルは電池容量を明らかにしないが、公開している駆動時間はディスプレーが大きい11 Pro Maxの方が長いことから、予想していた通りだ。

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